FC東京は17日、練習後にオンラインで取材に応じ、長谷川健太監督がチームの現状と今シーズンの見通しについて語った。7月4日に再開されるJ1リーグは夏場にも週2試合が組まれているなど、過去に例をみないほど過酷な日程となっている。

上写真=練習中の長谷川健太監督(写真◎FC東京)

いかに離脱者を抑えるかが重要

 練習を終えた長谷川監督はチームの現状について「まだまだ」と話した。 

「全体練習が始まって10日間ぐらいですが、それで(練習で)試合をやったという感じで、90分、ケガなくやれたのは非常にポジティブだと思いますが、チームの仕上がりとしてはまだまだだと思っています」

 今はまだリーグの再開に向けて、徐々にチームコンディションを上げているところ。課題云々を話す段階ではないのかもしれない。

「選手個人について言えばベテラン選手が、まだ始まって間もないこともあり、出来上がっていない印象です。ただ(再開まで)2週間ちょっとあるので、彼らは経験豊富なんで、しっかりと再開に合わせてくれるんじゃないかなと思います」と指揮官も、あくまで照準は再開に合わせているとした。

「チーム作りで言うと、いったんスタート(=J1開幕)していますので、確認が主な作業になってくる。プラスアルファで(永井)謙佑が戻ってきたので、どうやって謙佑をチームに融合させていくのか、は考えていきたい」。チーム全体の見通しも明確だ。

 今シーズン取り組んでいる新システム(4-3-3)は2月のJ1開幕後、試合を重ねることで徐々に完成度を高めていく算段だった。しかし、リーグは中断され、活動休止期間に入る。計画はいったん、リセットされた格好となった。指揮官が今、心を砕いているのはまず、選手のコンディション向上。そして改めてチーム作りも進めていく。

「今シーズンは新しいやり方にチャレンジしています。中断もあってすべてが落とし込めているわではないので、しっかりと落とし込む部分と、もう一度やれていた部分を思い出すという両面が重要になる。それと新たな選手をどうやって融合させていくのか。もちろん、1つのシステムだけでずっと戦えるわけではないので、自分たちのオプションも増やしていかなければならない」

 再開まで2週間あまり。ハードな日程を戦い抜くためのコンディショニングと、チームの完成度を上げることは指揮官にとっては重要なタスクだ。そしてもう一つ、長谷川監督は今季のポイントを口にした。

「離脱者をいかに抑えるか。それがシーズンを通して戦うことにつながるし、最終的な順位につながってくると思う。致し方ない部分もあると思いますけど、できる限り、離脱者を抑えること。
 選手たちも、普段から非常に気を付けて生活をしてくれていると思っています。ただ今後、移動等で致し方が部分が出てくるかもしれませんが、どれだけうまくチームが試合を休まずに、戦っていけるかどうかも非常に重要なポイントになってくる」

 ハードな日程と新型コロナウイルス感染症のリスク。離脱者はある程度、避けられないと考えられる中で、いかに戦っていくのか。さらに今季は交代枠5位人ルールの採用や降格無しというレギュレーションなど、ピッチ内に影響を与えるであろう変化も多い。難しいはハンリングが、すべてのJクラブを率いる指揮官に求められている。

 しかし、降格無しというレギュレーションに関する質問に答える形で長谷川監督はきっぱり言い切った。

「だからこそ、勝負にこだわって戦っていきたいと思っています。降格がないからいって、育成とか経験とかそういう言葉で逃げたくない。われわれはそういうチームではないと思っています。あくまでもわれわれは結果にこだわって、その上で戦っていく姿勢というか、試合に向かう姿勢をサポーターにお見せしたい」

 ACLの日程は未定。FC東京には今後、さらにハードなスケジュールになる可能性もある。しかし、言い訳はしない。「勝負にこだわる」。指揮官の姿勢は、変わらない。


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