1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第23回は、川崎フロンターレ加入で覚醒した大久保嘉人を取り上げる。

J1通算100得点を記録

 2019年に刊行された『平成スポーツ史・サッカー』(ベースボール・マガジン社)内のインタビューで、大久保は13年の開幕当初について、次のように振り返っている。
 
「当初は左サイドハーフでした。開幕戦で負けて、第2節の後半に僕が1トップに入って点を取った。でも、その後すぐにフォワードにはコンバートされませんでした。少し時間が経ってから、僕のポジションが確立されたんです。点を取り始めたのは、そこから」

 川崎Fは開幕6試合を3分け3敗という苦しいスタートを切ったが、大久保が2得点を挙げる活躍を見せた第7節で初勝利。大久保は第11節からは中断期間を挟んで13試合で14得点を挙げ、第16節では川崎F加入時に「一つの目標にしていた」と振り返る、J1通算100得点を記録した。

 その後もコンスタントに得点を重ねた大久保は、最終的に33試合出場・26得点。前年の4得点から一転、キャリアハイの数字をたたき出し、得点王を獲得した。序盤の出遅れを取り戻した川崎Fは終盤に4連勝を飾り、3位でシーズンを終了。この年は下記のように得点ランク上位を日本人選手が占め、4人が20得点以上というハイレベルの争いだったが、その中でも大久保は頭一つ抜けた活躍を見せ、個人タイトルを勝ち取った。

●2013年の得点ランキング(全34試合)
1位 大久保嘉人(川崎フロンターレ) 26得点
2位 川又堅碁(アルビレックス新潟) 23得点
3位 柿谷曜一朗(セレッソ大阪) 21得点
4位 豊田陽平(サガン鳥栖) 20得点
5位 大迫勇也(鹿島アントラーズ) 19得点
   工藤壮人(柏レイソル) 19得点
    ※5位まで、所属クラブ名は当時のもの

画像: 中村憲剛らとのコンビネーションで何度も等々力を熱狂させた(写真◎J.LEAGUE)

中村憲剛らとのコンビネーションで何度も等々力を熱狂させた(写真◎J.LEAGUE)

画像: 右足から放つミドルシュートも相手の脅威に(写真◎J.LEAGUE)

右足から放つミドルシュートも相手の脅威に(写真◎J.LEAGUE)

画像: 得点王を決め、ファン・サポーターの前でクラブカラーのダルマに目を入れる(写真◎J.LEAGUE)

得点王を決め、ファン・サポーターの前でクラブカラーのダルマに目を入れる(写真◎J.LEAGUE)

画像: Jリーグアウォーズではベストイレブンにも初めて選出された(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグアウォーズではベストイレブンにも初めて選出された(写真◎J.LEAGUE)


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