1993年にスタートしたJリーグでは、様々な特徴を持つストライカーがゴールを奪い、得点王に輝いてきた。Jリーグ得点王の活躍を振り返る連載の第18回は、ジュビロ磐田から3人目となる得点王、前田遼一を取り上げる。

上写真=世代交代が進んだ磐田で新しい得点源となった前田(写真◎J.LEAGUE)

プロ4年目でブレイク

 2000年に暁星高(東京)からジュビロ磐田に加入した前田遼一は、当初なかなか出場機会をつかめなかった。00年はJ1リーグ1試合出場・0得点。01年はJリーグ初得点を決めたものの、9試合出場・2得点で、02年は4試合出場・0得点に終わっている。

 優れたボールコントール、巧みなドリブルなどは1年目から高く評価されていたものの、当時は登録ポジションも、実際にプレーすることが多いのもMFだった。名波浩、藤田俊哉、服部年宏、福西崇史などが君臨する中盤では、なかなか定位置をつかめず、02年の途中には負傷で長期離脱するなど、プロとして台頭するまでには時間を要している。

 だが03年、まだ登録ポジションはMFだったが、FW中山雅史の負傷離脱によって2トップの一角で起用されると、ついに持ち味を発揮し始めた。中山や高原直泰のプレーを見て学んだFWの動きを体現し、J1リーグで28試合出場・7得点を挙げてプロ4年目にしてブレイク。登録ポジションがFWとなった翌04年も、27試合出場・8得点と結果を残した。

 磐田は黄金期を支えたメンバーから、徐々に世代交代を進めていく中でリーグタイトルから遠ざかっていくが、前田はその後もコンスタントに結果を出した。05年からは12得点、15得点、12得点と3年連続2ケタ得点を記録し、押しも押されもせぬ磐田のエースとして君臨する。


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