最終節で初優勝&得点王
189センチ・88キロの巨漢だが、ボールを収めるポストワークだけでなく、スペースへのロングパスに合わせて走ったり、ドリブルでボールを運ぶなど機動力も優れていた。ゴール前ではパワーで蹴散らすというよりも、巧みな切り返しで相手DFをかわすなど、器用なプレーで得点を重ねた。
ドイツ・ワールドカップによる中断期間中に負傷したため、再開後しばらくは欠場したが、復帰後は再びコンスタントに得点を決めていく。チームはガンバ大阪や川崎フロンターレと首位を争い、第32節でついに優勝に王手をかけた。
だが、第33節は0-0の引き分け。ホームの埼玉スタジアムでの最終節、2位のG大阪との直接対決で優勝が決まることになった。G大阪の得点源はFWマグノ・アウベスで、前節までに通算25得点。ワシントンは24得点で、得点王のタイトルも懸かる一戦となった。
浦和は2点差で敗れても優勝、3点差以上ならG大阪の逆転優勝、という状況だったが、先制したのはG大阪。21分にマグノ・アウベスが決め、通算26得点として得点王争いでも一歩抜け出した。しかし浦和は27分にMFポンテが同点とすると、44分にポンテのセンタリングをワシントンが合わせて2点目。前半のうちに逆転した浦和が、優勝に大きく近づいた。
さらに59分にも、ワシントンが優勝を決定付ける3点目を挙げ、得点王争いではマグノ・アウベスと並ぶ。その後に1点を返されたものの、3-2で勝った浦和がホームの大観衆の前で初優勝を成し遂げた。
ワシントンは26試合出場・26得点で、31試合出場・26得点のマグノ・アウベスと並んで得点王に輝いた。2人の得点王誕生は史上初めて。ピッチ上のヒーローインタビューで「アリガトウ、サポーター、ウラワレッズ!」と日本語で叫んだワシントンは、その後も知ってか知らずか、ファン・サポーターが歌うMF山田暢久のチャントに合わせて踊るなど、喜びを爆発させていた。