浦和レッズのFW武藤雄樹が20日、ビデオ会議システム「ZOOM」を通じて報道陣の取材に応じ、新型コロナウイルスの影響で活動が休止している現状の心境について語った。

上写真=ユニフォーム姿で取材に応じた武藤(写真はZOOMの画面)

サッカーのない日常

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、チーム活動が休止してから2週間が経過した。いまだ再開の見通しは立たないが、武藤は個人で前向きにトレーニングに取り組んでいる。チームに与えられたメニューをこなし、人が少なくなる夕方には一人でジョギング。気持ちを切らさずに体調管理に気を使っている。

「自宅でアスリートとしての体を維持しています。ボールに触ることがあまりできないので、ゴール集の映像などを見て、モチベーションを高めています。早く埼スタ(埼玉スタジアム)の熱狂を味わいたいです」

 サッカーのない日常は、かつても経験した。2011年にはベガルタ仙台の一員として東日本大震災で被災し、リーグ中断中に練習もできない状況に陥った。ただ、今回はまた違うものがあるという。

「いつ再開するのかが分からない。そこが難しいところです。それでも、仙台のときは再開したときに、サッカーで人の気持ちを動かし、勇気と希望を与えることができました。今回もそういうプレーを見せたい。生きていく上では、もっと大事なことがあるかもしれません。ただ、僕はサッカーをはじめ、スポーツには価値があると思っています」

 もどかしさはあるが、武藤はサッカーの持つ力を強く信じている。全国で緊急事態宣言が出され、外出自粛が続くなか、浦和はインターネット上のバーチャル空間で合同トレーニングをする計画を立てている。「いい雰囲気を作れると思います」と武藤は新たな試みを歓迎していた。

 厳しい環境のなかでも、いまできることをする。トレーニング以外の時間も有効に使うようにしている。朝、起きると15分から30分ほど読書する時間を設けたのも、そのひとつだ。家族との時間が増えたことで、もうすぐ3歳になる娘ともよく遊ぶようにもなった。

「少しずつパパっ子になってきたと思います」

 画面越しからでも幸せそうな雰囲気は伝わってくる。武藤は自宅で肉体と精神のバランスを保ちながら、再開に向けて備えている。

取材◎杉園昌之


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