現在、Jリーグは開幕戦を終えて中断中だが、この連載では再開後のリーグ戦で、さらなる活躍が期待される各クラブの注目選手を紹介していく。連載第14回は、柏レイソルのFWオルンガについて綴る。

脇を固める面々の充実ぶり

画像: 何拍子もそろっているFW、オルンガ。今季の得点王候補だ(写真◎Getty Images)

何拍子もそろっているFW、オルンガ。今季の得点王候補だ(写真◎Getty Images)

 1つ目は脇を固める面々の充実ぶり。しかも、ボールを介した密接なつながりは深まる一方だ。右から後ろから弾丸パスをピンポイントで届けるクリスティアーノとはいまや以心伝心の間柄。さらにオルンガとタンデムを組むトップ下の江坂任が高密度で連動する機会が一段と増え、いよいよ止まらない感じになってきた。

 とりわけ、センスの塊とも言うべき江坂の働きが大きい。オルンガとクリスティアーノが気持ちよく仕事ができるのも、必要な時に、必要な場所で。必要なプレーを迷わず選択できる江坂の技術と頭脳があるからだろう。

 しかも、主役を張るだけの才能を持ち合わせながらオトリ役もいとわない。守備側が江坂の動きにまんまと釣られるおかげで、傭兵部隊が派手に立ち回れるわけだ。J1の猛者が相手でも、その利点がそっくり生かされ、オルンガの量産態勢をあと押しするんじゃなかろうか。

 2つ目の理由はJ1王者の横浜F・マリノスに代表される前のめりのトレンドだ。GKを絡めて後ろからパスをつなぎ、最終ラインを押し上げ、敵陣から守り、攻める狙いを持ったチームがどんどん増えている。

 開幕戦で仕留めた札幌のチーム設計も3年前からそうだった。智将ネルシーニョが束ねる柏にとって悪い話ではない。

 何しろ、浅いラインは大好物だ。狩り場で奪って電光石火の逆襲というお約束の展開に持ち込みやすい。柏が誇る音速の攻撃陣に広いスペースを与えて無事で済むかどうか。札幌の二の舞というチームは少なくないだろう。

 そうなれば、自然とオルンガに結果がついてくる。現実離れした怪人の現実味のある話。そう思えて仕方がない。

Profile
Michael OLUNGA Oganda◎1994年3月26日生まれ、ケニア出身。193cm、85kg。ケニア国内リーグで活躍し、2015年にはゴールマヒアで50得点を挙げて得点王に輝く。2016年にはスウェーデンのユールゴルデンに移籍、17年は中国の貴州智誠、スペインのジローナでプレーし、18年途中に柏レイソルへ加入。2年目の昨季は得点を量産し、J1昇格に大きく貢献した。FW。


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