ルヴァンカップは第1節、J1、J2も第1節を終えて中断されることになった。カップ戦、リーグ戦が再開されるまでの間、開幕戦を材料に『シーズン最初の一歩』で目を引いた各クラブの注目選手を紹介していく。連載第1回は清水エスパルスのMF中村慶太だ。

敗戦も失望とは無縁の戦いぶり

画像: J1リーグの開幕戦、FC東京との試合に先発フル出場した中村(写真◎J.LEAGUE)

J1リーグの開幕戦、FC東京との試合に先発フル出場した中村(写真◎J.LEAGUE)

 簡単にボールを失わないのも、この人の強み。相手に寄せられても、するりとかわして前進していく。開幕戦では一度、深い位置でボールを奪われたが、バレバレの状況でパスをつけたヴァウドの過失だろう。

 この先、対戦相手が強めの圧力をかけてきたときにどうなるか。その点は未知数だが、あっさりやり過ごすようなら、1本のパスで一気に裏返すチャンスが転がり込む。本人はむしろ、こちらの展開をお望みか。技術に自信のある選手は「食いつく相手」が大好物なので――。

 それにしても、中村をボランチの適材と見込んだ指揮官は慧眼の士と呼べそうだ。昨季のポジションは左の翼。大卒5年目の華麗なる「転身」である。いや、結論を出すのはまだ早いのかもしれないが、この先、中村がどう仕上がっていくのか楽しみで仕方がない。

 もちろん、清水もそうだ。開幕戦では1-3の逆転負けを喫したが、失望や落胆とは無縁の戦いぶり。残り15分まで完全にペースを握った事実を前向きにとらえれば、今後への期待感はふくらむ一方だろう。

 リーグ戦が再開されたら、ぜひとも日本平へ。一見の価値ありかと。

Profile
なかむら・けいた◎1993年6月30日生まれ、千葉県出身。流通経済大在学中に、ACBB(フランス)に短期留学し、フランスカップに出場した経験を持つ。大学卒業後、2016年にV・ファーレン長崎に入団。2019年に清水エスパルスへ移籍。昨季は2列目やFWとしてプレー。今季開幕戦はボランチを務めた。21試合1得点を記録。178cm、73kg


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