上写真=MF相馬とともにキックオフカンファレンスに出席したフィッカデンティ監督(写真◎J.LEAGUE)
攻撃サッカーを約束
昨年にチームを預かった9月末を、フィッカデンティ監督は「シーズン終盤」と表現した。そのうえで、「去年は残留のために仕事をしただけ。今年はしっかり土台をつくる時間をもらえた。去年とはそうした違いがある」と、開幕前からチームをつくり上げる今季に自信を見せる。
収入の規模から言えば、名古屋はJ1上位に位置するクラブだ。そう考えれば残留を争っていてはいけないクラブだが、「上位陣でも下位陣でも、予想と違うことが毎年起こっているのがJリーグ。あまり読めないところはある」。今季の名古屋が本来いるべき位置を尋ねられると、フィッカデンティ監督はそう語った。
チームの現状について、「勝ち目がないという相手はいないし、どことやっても勝てるだけの状況には持っていけると思う」と語りながらも、決して大風呂敷は広げない。到達順位は、指揮官にも読めない。だが、約束できることはある。守備的との声もあった昨季だが、2020年は違う姿を見せるつもりだ。
「チームとして戦い方を変えている。試合を支配し、どの瞬間も見ていて楽しく、常に生き生きしていて何か起こりそうだな、目を離したら何か起きそうだと思うような戦い方。そういうサッカーをしようと選手とも話しているので、皆さんを楽しませることは約束したい」
「均衡が取れている」というフィッカデンティ監督のJリーグ評に、異を唱える声は少ないだろう。だからこそ、今年の名古屋の立ち位置が大きく変わっても、驚きはない。
取材◎杉山 孝