2シーズンぶりにJ1に復帰した柏レイソル。J1優勝の経験もあり、ネルシーニョという名将も擁し、さらには強力な補強が成功した。『昇格即V』の2011年の再現はあるのか。だが、ネルシーニョはいつだってクールだ。

上写真=3年ぶりにJ1で指揮を執るネルシーニョ監督(写真◎J.LEAGUE)

勝ち方を知る知将

 35ポイント。昇格直後のJ1リーグに臨むにあたり、名将ネルシーニョが設定したのがこの数字。

「重点を置いているのは、短期的な目標だ。リーグ前半の17試合を3つのブロックに、5試合、6試合、6試合に分けて考えている。すべてに勝利すれば51ポイントを手にすることができる。この中で、最低でも35ポイントを勝ち取るのが最初の目標になる」

 まるで強力なブルドーザーですくうように、多くの有望選手を集結させた柏レイソル。J2優勝の勢いをその新戦力で強烈にブーストして臨む『昇格初年度』だ。

 昇格初年度といえば、甘い記憶がある。J2から昇格してすぐにJ1でチャンピオンになった2011年だ。あの夢をもう一度…。サポーターはそう願うだろう。

 だが、現実的にシビアな視線で足元を見つめながらチームを強化していくのがネルシーニョの真骨頂だ。まずは17試合で35ポイント。その足場を築いてから後半に駆け抜けていくのが、現時点での今季の算段となる。他クラブが羨む補強についても、クールな姿勢を貫く。

「シーズンを通して組織的に戦い抜くことが何よりも大事だ。素晴らしいレベルの選手が揃ったからこそ、組織をオーガナイズしてピッチの中で表現できれば、目標は達成できるだろう」

 この男は誰よりも勝ち方を知っている。華やかな経歴からは想像できないような冷徹なベーシックがこのチームを強くする。J1の各クラブは警戒する必要がある。

取材◎平澤大輔


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