上写真=昨年ブラジルで開催されたU-17W杯に出場した若月(写真◎Getty Images)
U-17W杯で評価急上昇
2002年生まれの若月は、前橋SCジュニアユースから桐生第一高校に進み、プリンスリーグ関東での活躍で一躍注目を集める存在に。湘南スカウトの要請で19年1月のトルコキャンプに帯同し、同年3月に2020年シーズンの加入が内定すると、特別指定選手として4月10日のルヴァン杯・札幌戦で公式戦デビューを飾り、5月26日の磐田戦でJ1リーグにも出場した。
18年から年代別日本代表にも名を連ね、昨年ブラジルで開催されたU-17W杯では4試合に出場。初戦のオランダ戦ではヨーロッパ王者から2ゴールを奪う活躍を見せ、一気にその名を世界にとどろかせた。大会直後から海外移籍が取り沙汰され、今月9日には湘南が、契約を交わしたうえで海外移籍に向けて交渉を行なっていることを発表。10日のチーム指導日に姿はなく、新体制発表会見にも出席しなかった。
そして28日にスイスのFCシオンへの移籍が決定。現在、FIFAの規定により18歳以下の選手の国際移籍は禁止されており、若月が18歳となる1月18日を待っての発表となった。クラブ公式サイトに掲載された本人のコメントは以下の通り。
「この度、スイススーパーリーグのFCシオンでプレーさせていただくことになりました。日本の群馬県で生まれ育ち、桐生第一高校からJ1リーグの湘南ベルマーレに加入させていただき、期限付き移籍という形でシオンにやってきました。
海外でプレーすることは小さい頃からの夢であり、ずっと抱き続けていたものでした。昨年、U-17W杯で初めて世界の強国と戦わせてもらったことで、よりその想いが強くなりました。初戦のオランダ戦で2ゴールを挙げたことで、僕の人生は変わり、ありがたいことに多くの海外クラブからのお話をいただきました。ですが、U-17W杯に出場することができたのも、桐生第一での日々はもちろんのこと、湘南ベルマーレでキャンプやトレーニングをさせていただき、さらに特別指定選手としてルヴァンカップやリーグ戦に出場させていただいたことで、かげがえのない経験と成長を得ることができたからこそだと思っています。
湘南ベルマーレでプレーしたい気持ちと、海外でのプレーにチャレンジをしたい気持ち。この2つの気持ちを熟考した上で、今回の決断に至りました。もちろんシオンでプレーする以上、まずはチームの一員と認められ、勝利に貢献し、さらに上のステージにステップアップするために精一杯努力していきたいと思います。快く送り出してくれた湘南ベルマーレの皆様に感謝の気持ちを大切に、スイスで、FCシオンで頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします」
移籍先のFCシオンは、リーグ優勝2回、カップ戦優勝13回を誇るスイスの名門クラブ。若月はトップチームの一員として、念願の海外挑戦をスタートさせる。