※上写真=プロ初ゴールを決め、喜びのあまり絶叫する鹿島の大卒ルーキー山口
写真◎Getty Images

■2018年11月6日 J1リーグ第32節
柏 2-3 鹿島
得点者:(柏)瀬川祐輔2 (鹿)金森健志、町田浩樹、山口一真

 序盤から得点の奪い合いとなった。開始6分、FKのこぼれ球を拾った金森健志が豪快にゴールネットを揺らし、鹿島が先制する。だが、そのわずか4分後に柏の瀬川祐輔に同点ゴールを許し、1-1。さらに、24分にも再び瀬川に決められリードされるも、28分にCKから町田浩樹がヘディングシュートを決めて、再び同点。後半も両チームとも多くのチャンスを作り出すなか、61分に山口一真がプロ初ゴールを挙げて、鹿島が勝ち越し。そのまま逃げ切り、敵地で勝ち点3を挙げた。

「勝ち切れて良かった」

【動画】敵地で3点を奪った鹿島が柏とのシーソーゲームを制す!(試合ハイライト)

 鹿島の大卒ルーキーが、雄叫びを上げた。

 2-2で迎えた61分、遠藤康のシュートはクロスバーに弾かれるも、こぼれ球に反応した山口一真が右足を振り抜き、勝ち越しゴールを挙げた。

「蹴る瞬間は、ほとんどボールを見ていないくらいの勢いで、ただ気持ちで蹴ったら(ゴールに)入っていました」

 今季、阪南大から鹿島に加入。リーグ戦は9試合目の出場ながら、前節までゴールを奪えていなかった。31節C大阪戦(○1-0)で放った9本のシュートも空砲に終わり、「こんなにゴールから遠のいたことは、人生で初めて。ゴールは自分に求められていることだと思うけれど、得点を取れていないことは、大卒の選手としてどうなのか。日々、いろいろと考えさせられることはあった」と、歯がゆさを抱いていた。

 それだけに、この日も前半に訪れた「決めなければいけない」(山口)シュートチャンスで枠をとらえられず、初ゴールを決める直前には「これで決めないと“クビ”とか、いろいろ考えた」という。

「今日、得点を取れてホッとしています」。安堵の表情を浮かべる。

 チームはJ1リーグ戦と並行し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝を戦う。3日前にはホームで先勝し、柏戦を挟んで、いよいよ雌雄を決する第2戦の舞台・イランに乗り込む。ACL決勝第1戦から先発メンバーを大幅に入れ替えながらも、アジアの頂点を目指すチームを勢いづける勝利が得られたことに、山口は胸を張る。

「今日引き分けで終わるのと、勝ち点3を取るのとでは全然違うと思うので、勝ち切れて良かった。普段はあまり試合に出られていない選手が得点を取ると盛り上がるし、チームの士気は上がる」

 ACL初制覇へ――。ルーキーのゴールが、チームに与えた影響は大きいはずだ。

取材◎小林康幸


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