■2018年8月19日 J1リーグ第23節
湘南 0-2 神戸
得点者:(神)三田啓貴、郷家友太

 神戸が逃げ切り、3戦負けなし。序盤は神戸のペースで進む。前半37分、左クロスを長沢駿が中央に落とすと、ボールを受けた三田啓貴が先制ゴールをマーク。後半は自陣でしのぐ展開になったが、76分にカウンターで追加点を挙げた。湘南は好機を作りながらも生かせず、3連敗を喫した。

※湘南サポーターまで沸かせたイニエスタ。お祭り騒ぎはまだまだ続きそうだ 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

「目標のACL出場圏内に近づいた」

 心地よい湘南の風が吹く夜のShonan BMWスタジアム平塚は、イニエスタ祭りとなった。平塚総合公園内の売店はどこもかしこも長蛇の列、会場に入れば満席状態。湘南の広報担当によると、チケットの一般発売の開始から約10分で完売したという。もちろん、当日券はなし。そわそわして落ち着かないファンのお目当ての元スペイン代表MFは、しっかり期待に応えた。

 アンドレス・イニエスタは試合前から湘南のサポーターにも笑顔で手を振って応える。試合開始の笛が鳴ると、余裕しゃくしゃくでプレー。でこぼこしたピッチも何のその。うまくボールをコントロールし、くるりと反転したかと思えば、すかさずスルーパスにサイドチェンジのパスをぴたりと味方に通す。

 37分にはルーカス・ポドルスキのパスを受けて、きっちり仕事をこなす。右足から放たれたクロスは192センチの長沢駿がジャンプした最高到達点にどんぴしゃり。長身の頭から落とされたボールは、三田啓貴がうまく処理して、先制ゴールへつなげた。本人もご満悦の表情。
「3人目の動きを生かし、チームとしていい形でゴールを取れた」

 後半に入っても卓越したキープ力でスタジアムを沸かせる。湘南カラーの黄緑色に染まるメインスタンドからも拍手が起こったほど。

 後半途中からは耐える展開になり、イニエスタが珍しくボールを奪われて、ショートカウンターを浴びるシーンもあったが、それも一度だけ。19歳の齊藤未月から激しくチャージを受けても、主審の笛に何度か救われる。敵将曺貴裁監督はベンチ前で納得のいかないジェスチャーを見せ、試合後には「正当なプレーに見えた」とちくり。スタジアムからも「なんでだよ!」とため息混じりの声も聞こえたが、これも含めてイニエスタ効果か。レフェリーまで味方に付けているように見えた。

 懲りずに何度も食らいついていた齊藤はさすがに納得できない様子だった。
「誰がどう見ても、ファウルではないシーンがあった。うまかったですけど、絶対に取れないわけではない」

 湘南でのイニエスタ祭りは少し後味の悪さを残したものの、神戸はしっかり勝ち点3を獲得。「目標のACL出場圏内に近づいた。4ポイントに迫った」と主役の8番は、清々しい表情で会場をあとにした。

文◎杉園昌之


This article is a sponsored article by
''.