第100回を迎えた高校選手権の都道府県予選。10月21日に開幕する島根県予選に臨む松江南高の最終ラインを支えるのは、3人の3年生だ。受験勉強と両立しながら、衝撃の敗戦を喫したインターハイ予選の雪辱に燃えている。

「後輩に良い姿を見せたい」

 1、2年生と一緒に練習を重ねながら、受験への備えも進めている。石本は両立の秘訣を「練習後に家に帰ってからは時間が限られているし、眠くなってしまうので、早起きしたり、時間を見つけて勉強している」と明かし、組嶽も「練習だけでなく、勉強も手を抜けないので、空いた時間をうまく使いながら頑張っている」と語る。

 インターハイ予選も、県独自の代替大会もなかった昨年度の3年生では、MF宍道日向が1人だけ残って選手権予選を戦った。組嶽は「1人でも3年生がいると心強かったです。大きな存在でした」と振り返る。宍道は選手権予選終了後、大学に合格して体育会でサッカーを続けており、山木は「宍道先輩のようにサッカーでも勉強でも、後輩に良い姿を見せたい」との思いを抱く。

画像: 秋が深まり、日が沈むのも早くなる中で選手権予選への準備が進められている(写真◎石倉利英)

秋が深まり、日が沈むのも早くなる中で選手権予選への準備が進められている(写真◎石倉利英)

 組み合わせ抽選の結果、両校が勝ち上がれば、大社とは再び準決勝で対戦する。そこまでには3試合に勝利することが必要で、組嶽は「大社戦が目標ですが、そこだけを見ることなく、初戦からしっかり勝ち抜いていけるようにしたい」と意気込む。石本も「守備でチームを支えることと、1、2年生のサポートも意識しています。最後まで全力でプレーしたい」と目標を掲げ、山木は「無失点で勝ち上がっていきたい。守備だけでなく、セットプレーやクロスで得点をアシストすることも意識しています」とイメージを膨らませている。

 勝ち上がっていく道のりの先に、1976年度の第55回大会以来、45年ぶり2回目の選手権出場も見据える。受験勉強と両立しながら、歓喜の瞬間を迎えるべく、高校サッカー最後の大会に挑む。

取材・写真◎石倉利英


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