「後輩に良い姿を見せたい」
1、2年生と一緒に練習を重ねながら、受験への備えも進めている。石本は両立の秘訣を「練習後に家に帰ってからは時間が限られているし、眠くなってしまうので、早起きしたり、時間を見つけて勉強している」と明かし、組嶽も「練習だけでなく、勉強も手を抜けないので、空いた時間をうまく使いながら頑張っている」と語る。
インターハイ予選も、県独自の代替大会もなかった昨年度の3年生では、MF宍道日向が1人だけ残って選手権予選を戦った。組嶽は「1人でも3年生がいると心強かったです。大きな存在でした」と振り返る。宍道は選手権予選終了後、大学に合格して体育会でサッカーを続けており、山木は「宍道先輩のようにサッカーでも勉強でも、後輩に良い姿を見せたい」との思いを抱く。
組み合わせ抽選の結果、両校が勝ち上がれば、大社とは再び準決勝で対戦する。そこまでには3試合に勝利することが必要で、組嶽は「大社戦が目標ですが、そこだけを見ることなく、初戦からしっかり勝ち抜いていけるようにしたい」と意気込む。石本も「守備でチームを支えることと、1、2年生のサポートも意識しています。最後まで全力でプレーしたい」と目標を掲げ、山木は「無失点で勝ち上がっていきたい。守備だけでなく、セットプレーやクロスで得点をアシストすることも意識しています」とイメージを膨らませている。
勝ち上がっていく道のりの先に、1976年度の第55回大会以来、45年ぶり2回目の選手権出場も見据える。受験勉強と両立しながら、歓喜の瞬間を迎えるべく、高校サッカー最後の大会に挑む。
取材・写真◎石倉利英