コロナ禍にあってサッカー界でもおなじみになりつつあるリモート応援を、米子北高(鳥取)が導入。応援係のアイディアを基に、会場では禁止されている声援がスピーカー越しにピッチ上の選手たちに届けられた。

7得点の猛攻を後押し

 米子北の応援歌は、個別のものを除いても50曲以上のバリエーションがあるが、ひとまず10曲を収録。学校のグラウンドで動画を収録し、1曲ごとにタイトル分けしてタブレットで再生できるようにした。スピーカーは、放送部から持ち運び式のものを借りることに。大会の許可も得て、いよいよ本番の日を迎えた。

 機器の操作を任された北尾は、試合展開を見ながら曲を選んで流していった。試合は米子北が前半に先制されたものの、リモート応援の後押しを受けたピッチ上の選手たちは、そこから7得点を奪う猛攻。得点後に歌うと決まっている応援歌も7回流れ、7-1の鮮やかな逆転勝利を演出した。

 北尾は「試合を見ながら操作するのでタイミングが難しかったですが、何とかできたと思います」と笑顔。中村真吾監督は「最初は少し違和感がありましたが、慣れてくると、これまでの試合と同じような感覚だった」と語り、「生徒が自分から何かをやりたいと言ってくることは、あまりない。新しいことを始めるためにはパワーが必要で、チームのために自分ができることをやろうという姿勢は素晴らしい」と称えた。

 リモート応援は、スーパープリンスリーグ中国の米子北のホームゲームでは認められているが、10月に始まる選手権予選で可能になるかは試合日時点で未定。それでも北尾と古川は「選手権予選までに残りの曲を全部収録して、最高のリモート応援ができるようにしたい」と意気込む。

 11月1日に決勝が行われる選手権予選で、米子北は11年連続16回目の出場を目指す。今年度唯一となる全国の舞台に向けて、チームの強化と同時に、応援の準備も着々と進められている。

取材・写真◎石倉利英


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