今大会で札幌(2回戦・○4-2)、徳島(3回戦・○2-0)、浦和(4回戦・○2-0)と、Jクラブを次々と破って勝ち上がってきたHonda FC(JFL)。準々決勝でも鹿島を相手に試合の主導権を握るも、65分に浴びたFW土居聖真のヘディングシュートに沈み、惜敗。快進撃が止まり、準々決勝で姿を消すこととなった。

「仕事とサッカーを両立できる良い環境」

 遠野は静岡県の強豪・藤枝明誠高出身。3年次の冬には県予選を勝ち抜き、全国高校選手権出場を果たしている。「僕には大学へ進む道もあったのですが、願書を出す1週間前くらいに(Honda FCから)お誘いをもらったので、こちらに来ました。自分が成長するために、この強いHonda FCのサッカーを学びたいと思いましたので」と、高校卒業後にHonda FCへと加入した。「人間性が磨かれるし、仕事とサッカーを両立できる良い環境」と、社会人としての充実した生活を明かす。

 入社1年目から出場数を重ね、「まずはここで活躍することを頭に入れて」(遠野)、Honda FCでの戦いに臨んできた。ただ、天皇杯で度々プロクラブとの対戦を経験し、新たな目標も生まれた。

「(Honda FCで)活躍した中で、プロに行きたいという気持ちも芽生えました。そのために努力し続けなければいけないし、JFLのリーグ戦でも、もっと点を取らなければいけない」

 今年度の天皇杯でもプロクラブを相手に3勝1敗。チームの快進撃を支えた遠野自身も「自信にもなったし、成長にもつながったと思う。僕がサッカーを続けていく上で、貴重な体験ができました。自分がステップアップするために、この経験を次に生かしていきたい」と、4試合で得たものの大きさを強調する。

「来年度、再来年度も、天皇杯はあります。またこの大会で優勝を目指して、頑張っていきたいです」

 チームの目標と、自身の夢に向かって――。Honda FCの26番を背負う二十歳のアタッカーは、これからも走り続ける。

取材◎小林康幸

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サッカーマガジン 2019年12月号


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