上写真=長谷部茂利監督は短期間で勝てるチームに仕上げてアジア2位に導いた(写真◎J.LEAGUE)
■2025年5月3日(現地) ACLE決勝(@キング・アブドゥラー・スポーツシティ)
アル・アハリ 2-0 川崎F
得点:(ア)ガレーノ、フランク・ケシエ
「自分たちが自分たちを高めていく」
長谷部茂利監督の第一声は「悔しいです」だった。
AFCチャンピオンズリーグエリートの決勝で、アル・アハリに0-2で敗戦。クラブの悲願であるアジア王座に、目の前でたどり着けなかった。
今年からチームを預かった。このファイナルで勝つことはできなかったが、1月の始動からの4カ月で「アジア2位」にまでは導くことができた。
「前監督の鬼木(達)さんから引き継いで、ここまではうまく持ってこれたんですけども、最後までこの役目を果たすことができませんでした。悔しい思いでいっぱいです」
J1とACLEを過密日程で同時に戦いながらチームを作り上げる難しさと向き合ってきた。ACLEでは中2日の不利な日程でも選手のプレータイムを調整しながらていねいに試合を運び、これまで越えられなかったベスト8の壁を破り、さらには決勝にまで導いた。
それでも、個のパワーに組織力を加えたアル・アハリを突き崩すことはできなかった。
「選手はよくやってくれたと思いますけれども、少しなのか、大きくなのか、足りなかったところがあると思うので、また振り返って、自分たちが自分たちを高めていかなくてはならないという話をしたいと思います」
アジアチャンピオンにはなれなかったが、戦いは終わりではない。
「(サポーターが)ここまで来て大声を送ってくれる、それに報いたかったんですけれども、本当に申し訳ない気持ちと、ただ、これからJリーグもシーズンが続きますので、そこで今日の悔しさをまた晴らしていきたいと思います」
勝負師の強みを強烈に印象付けた指揮官と最後まで戦い抜いた選手たちは、銀色のメダルとフェアプレー賞を手に、堂々と凱旋する。