U-21日本代表候補によるトレーニングキャンプが3日間の日程を終えた。最終日の9日には若手中心の横浜F・マリノスとの練習試合を実施。藤尾翔太(徳島)と鮎川峻(広島)がそれぞれ2ゴール、小堀空(栃木)が1ゴールを決めて、失点をPKによる1点に抑えて5-1とし、大岩剛監督就任後初の対外試合で勝利を飾った。

上写真=2ゴールをあげた鮎川峻(写真◎山口高明)

藤尾&鮎川が2発、小堀もゴールで横浜FMに快勝

 パリ五輪出場を目指すチームの本格的なスタートとなる今回の合宿で大岩監督は26人の選手を招集した。最終日に行なわれた横浜FMとの練習試合には出場時間の差こそあれ、4人のGKも含め全員がプレーした。

 そしてフォーメーションも4-2-3-1でスタートして、4-3-3や4-4-2でもプレー。指揮官はその狙いについて次のように説明した。

「(このチームは常に)同じ選手を招集できるわけではないので、選手の特徴に合わせて攻守で少しポジションを変え、前後半でもシステムを変えました。選手ごとの役割も多々あるなかで、言い方は悪いですが、何ができて何ができないのかを見極める意味もありました」

 チームを強化していくなかで選手には利便性が求められる。現時点におけるその力を見極める意味で、指揮官は複数のシステムやポジション変更を行なった。練習試合のスタート時に採用したフォーメーションは4-2-3-1(図1参照)。GKは佐々木雅士、DFには右から半田陸、馬場晴也、木村誠二、加藤聖が並んだ。ドイスボランチはかつて東京Vでともにプレーした山本理仁と藤田譲瑠チマがコンビを組み、2列目には右から甲田英將、鈴木唯人、平岡大陽が並んだ。そして1トップは藤尾が務めた。

 前半はU-21代表が見せ場を幾つもつくっている。アグレッシブな姿勢でボール奪取を狙い、ロストしても素早い切り替えで回収。徐々にペースをつかんでいくと、開始8分に半田のクロスを藤尾が頭でとらえて先制。20分過ぎにも速攻の終着点になった藤尾が決めて2-0とリードした。昨年10月のU-23アジアカップ予選でも香港戦でゴール挙げている

図1 先発フォーメーション

 今回招集した選手たち全員を起用する狙いから、その直後に早くも最初の選手交代を行なった。藤田、鈴木、佐々木に代えて、田中聡、宮城天、山田大樹を投入。この交代を機に左サイドハーフの平岡は中央へとポジションを変え、宮城が左、田中は藤田が務めていたボランチでプレーした。しかし直後に相手の攻勢を許し、田中がPKを献上。これを決められて1点差に詰め寄られる。30分過ぎには平岡が負傷で交代し、代わって入った鮎川峻が40分に追加点をスコア。前半を3-1で終えた。

画像: 図2 前半20分過ぎから

図2 前半20分過ぎから

 後半は前半に途中出場した宮城と鮎川を除く9名を交代させた(図2参照)。フォーメーションも4-4-2に変更。大岩監督が求める強度の高さを維持しつつ、積極的にゴールを目指すと、2ゴールを追加する。まずは55分、左サイドバックの大嶽拓馬のパスを受けた宮城が左からクロスを送り、走り込んだ小堀がネットを揺らす。そして66分、素早い切り替えからボックス内に送られたボールを櫻川ソロモンが落とし、鮎川が反応して5点目を奪った。

 今回は期間が3日と短く、このチームの目標や狙いとするところを共有する意味合いの強い合宿となったが、とくに後半の2点はしっかり連動する中で奪ったゴールだった。後半途中からは宮城に代わって三戸舜介、小畑に代わって鈴木彩艶が登場し、今回の合宿に参加した全選手が出場。大岩体制になって初めての『試合』は5-1という結果で終わった。


This article is a sponsored article by
''.