上写真=藤原優大は準決勝ではロングスローからヘッドでチーム2点目を決めた(写真◎小山真司)
■2021年1月9日 全国高校サッカー選手権準決勝(@埼玉スタジアム)
矢板中央 0-5 青森山田
得点者=(矢)なし
(青)安斎颯馬3、藤原優大、名須川真光
「欠点をなくしてすべてが平均でできるように」
1月9日、準決勝の矢板中央(栃木)戦は5-0の圧勝だった。安斎颯馬のハットトリックに藤原優大のヘッド、名須川真光のダイビングヘッド、そしてタイトな守備で矢板中央を寄せ付けなかった。そして、昨年に引き続いて決勝にたどり着いた。「忘れ物」を取りに戻ってきた。
「やっと青森山田らしいサッカーできたかなと思いますけど、まだまだ課題はありますし、まだまだできる部分があるので、もう一度そこをチームとして確認して、決勝では集大成と言えるような素晴らしいゲームがしたいと思います」
1年前の決勝、静岡学園(静岡)戦では、自らFKからヘッドで先制ゴールを挙げるなど2-0でリードしながら、まさかの逆転負けを喫した。「去年、先輩に申し訳ないプレーをしたので、そういう人のために戦っています」とあの悔しさとまっすぐに向き合ってきた。
準々決勝では堀越(東京A)に4-0で勝利を収めてもなお、厳しく反省を口にしていて、準決勝の5-0の勝利はそれを払拭するのに十分だったようだ。「トレーニングで修正するというよりは、意識の面で変えられる問題ばかりだったので、ミーティングやチームの中で話し合って改善してきました」と、きっちりと修正した上で、どれだけリードを奪っても守備を引き締め、最後までゴールを狙う姿勢を貫き続けた。
キャプテンとしてチームを引っ張る中で、意識している言葉がある。
「苦手なことをなくせ、と(黒田剛)監督に何度も言われてきて、それに対して取り組んだ結果として、いまはセンターバックをやっていますけど、欠点をなくしてすべてが平均でできるように心がけてやってきました。それがプレーに出ているというか、監督の言葉をしっかり聞いて成長できたと思っています」
平均的だがすべてがハイレベル。その理想像に向けて突き進む成長曲線の中で、高校選手権の優勝はしっかりとその手に収めておきたい。
1年前の逆転負けの悪夢があるからこそ、強い。リベンジの相手は、11年前に同じ決勝で戦って敗れている山梨学院(山梨)だ。藤原率いる青森山田は、今度は絶対に笑顔で大会を終えるつもりだ。