11年前と同じ顔合わせ
これまでの勝ち上がりから考えると、4試合で15得点を挙げている青森山田の攻撃を、山梨学院がどのように封じるかが勝敗を分ける要素の一つ。少ない得点で勝ち上がっている山梨学院としては、無失点の時間をできるだけ長くしたいが、青森山田も多彩な武器で攻め崩しにかかるだろう。
無観客開催であることもポイントになりそうだ。青森山田と静岡学園(静岡)が激突した昨年度の決勝は、5万6000人を超える大観衆が埼玉スタジアムを埋めた。0-2とリードされた静岡学園が前半終了間際に1点を返し、後半に追い付くとスタジアムの雰囲気が一変。大歓声に背中を押されるように動きが良くなった静岡学園が、試合終了間際に逆転ゴールを決めて日本一に輝いた。
だが今回は、そうした雰囲気にはならない。どちらかが先制しても、先制された側は監督の指示や周囲の声で立て直すことができるため、両チームが最後まで冷静に試合を運びながら勝機を探っていく展開が予想される。
今回の顔合わせは、くしくも11年前の2009年度大会の決勝と同じ。戦前の予想では青森山田が優位とみられていたが、初出場だった山梨学院(当時の学校名は山梨学院大附)が1-0で勝ち、初優勝を飾っている。
青森山田は前述の通り、昨年度の決勝で連覇に近づきながらも敗れており、11年前の敗戦と合わせて2つの雪辱を果たし、2年ぶり3回目の日本一に輝くのか。あるいは山梨学院が返り討ちにして、11年ぶり2回目の頂点に立つのか。
試合は45分ハーフで行なわれ、同点の場合は10分ハーフの延長を実施。それでも勝敗が決しないときは、PK戦で優勝チームを決定する。激戦必至の決勝、観客のいない埼玉スタジアムで歓喜に沸くのは?