上写真=安斎颯馬が3ゴールで爆発! 決勝に勢いをいをつけた(写真◎小山真司)
■2021年1月9日 全国高校サッカー選手権準決勝(@埼玉スタジアム)
矢板中央 0-5 青森山田
得点者=(矢)なし
(青)安斎颯馬3、藤原優大、名須川真光
中学時代の仲間と決勝で激突!
鮮やかな3ゴールでみんなを決勝の舞台に連れて行くことができた。安斎颯馬、見事なハットトリック!
「王座奪還を目指してやって来たので、まずは決勝の舞台に立たないと意味がありません。この準決勝で気を引き締めてやって、王座奪還できる場所に立てることが良かったと思います」
16分にペナルティーエリア左に進入して小原由敬から縦パスを引き出すと、左足をムチのようにしならせてバチンとボールを叩き、GKの左手を弾いてゴール右に突き刺した。強烈な先制弾でゴールショーの幕を開けた。
35分に藤原優大がロングスローからヘッドで流したボールが転がり込んで2点のリードを奪い、2-0で折り返すと、試合の行方を決めたのは安斎の追加点だった。後半開始直後、46分にゴール前のこぼれ球をそのまま右足でダイレクトボレー、これがゴールに飛び込んで3-0としたのだ。50分に名須川真光が決めて4-0としても、青森山田はまったく攻撃の手を緩めない。74分に藤森颯太が右サイドを突破、折り返しを安斎がゴール中央から蹴り込んで、ハットトリックを達成した。83分にはひと足早くお役御免と、交代でピッチを去った。
「(初戦となった)2回戦で1点取れましたけど、そのあとは結果が出なくて、ディフェンスの選手がたくさん取って勝たせてくれました。でも、前線の選手としてはオフェンスが点を取ってディフェンスを楽にさせたいと強く思っています。それがゴールという結果に表れてよかったです」
この日の3点で守備陣は随分と楽にさせてもらっただろう。決勝でもお互いに楽をさせあって、気持ちよく勝ちたい。相手は山梨学院。11年前の決勝と同じカードで、そのときは青森山田は0-1で敗れているのだが、あまりにも昔のことでいまの選手には関係がないだろう。あるとすれば、安斎にとっては「昔の仲間との果たし合い」だ。
「自分の同世代で、熊倉(匠)と笹沼(航紀)がいて、一つ下でも(茂木秀人)イファインがいます」
FC東京U-15深川でともに汗を流した仲間だ。彼らと高校選手権の決勝で日本一を争うことができる幸せを噛みしめる。
「くま(熊倉)は全国の舞台でも活躍していますし、今日の第1試合(山梨学院対帝京長岡)でもPK戦でくまが止めて勝たせて決勝に導いていましたね」
かつてのチームメートの活躍を喜ぶが、そんな当時のチームに心残りがあるという。
「僕たちは中3のときに全国の決勝で敗れて日本一を取れなかった悔しい思いがあります。だから今度の決勝は、自分もくまも笹沼も全国優勝したいという気持ちで臨む試合になります。くまから点を取りたいですね。くまも自分に決めさせたくないと思っているだろうけど、いい戦いができればいいと思っています」
2017年の高円宮杯第29回全日本ユース(U-15)選手権の決勝で、サガン鳥栖U-15に2-2からPK戦で敗れている。そのリベンジを、それぞれが狙う決勝戦。
さて、安斎が決めるか、熊倉が止めるか。