歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第30回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成30年(2018年度)は川崎フロンターレがJ1連覇、鹿島アントラーズがACLを初制覇、ロシアW杯では日本が16強入りを果たした。

勝負して結果を出した西野ジャパン

 ロシア・ワールドカップの2カ月前、日本サッカー協会(JFA)が決断を下した。ハリルホジッチ日本代表監督が解任されたのだ。後任は、技術委員長だった西野朗氏。この決断は賛否両論だったが、日本代表は結果で決断を証明していく。

 大会初戦のコロンビア戦で開始3分にPKを獲得し、相手が1人退場すると、香川真司がきっちり決めてリードを奪う。一度は10人になった相手に追い付かれるが、大迫勇也の得点で突き放し、勝利を飾った。続くセネガル戦は2-2と引き分け、迎えた第3戦。0-1でポーランドにリードを許す展開も、同時進行で行なわれている他会場のコロンビア対セネガルが0-1で推移している状況を鑑み、西野監督は0-1のまま試合を終わらせることを選択。負けているにも関わらず、パスを回し、時計を進めることを選んだために、場内にはブーイングが鳴り響いた。
 
 結局、試合はそのまま終わり、日本が2位で決勝トーナメント進出を決めた。ラウンド16では強豪ベルギーと対戦。ここでポーランド戦とは変わって攻撃的な戦いで、原口元気、乾貴士の得点で一時は2-0とリードを奪う。初のベスト8進出に近づいたが、残り20分あまりで3失点。アディショナルタイムの90+4分に決められた相手の決勝ゴールは日本のCKからの流れで速攻を許したものであり、「ロストフの14秒」とも言われる。W杯で勝つことの厳しさ、ベスト8の壁の高さを改めて知ることになった。

 大会後は、西野ジャパンにコーチとして参加していた森保一五輪代表が、A代表を兼任することを発表。東京五輪での金メダル獲得、カタールW杯でベスト8以上を目指すこととなった。

画像: 大会2か月前に電撃就任した西野朗監督(左)。選手の長所を引き出すチーム作りで大会に臨んだ(写真◎Getty Images)

大会2か月前に電撃就任した西野朗監督(左)。選手の長所を引き出すチーム作りで大会に臨んだ(写真◎Getty Images)

画像: ロシアW杯、初戦のコロンビア戦で決勝点を挙げた大迫勇也(写真◎Getty Images)

ロシアW杯、初戦のコロンビア戦で決勝点を挙げた大迫勇也(写真◎Getty Images)

画像: セネガル戦で2-2となる同点ゴールを挙げた本田圭佑(写真◎Getty Images)

セネガル戦で2-2となる同点ゴールを挙げた本田圭佑(写真◎Getty Images)

画像: 第3戦のポーランド戦の戦いぶりは賛否両論を巻き起こしたが、日本は狙い通り、ラウンド16に進出した(写真◎Getty Images)

第3戦のポーランド戦の戦いぶりは賛否両論を巻き起こしたが、日本は狙い通り、ラウンド16に進出した(写真◎Getty Images)

画像: ラウンド16のベルギー戦は原口元気、乾貴士(中央)の得点で一時は2-0とリードした(写真◎Getty Images)

ラウンド16のベルギー戦は原口元気、乾貴士(中央)の得点で一時は2-0とリードした(写真◎Getty Images)

画像: リードを守るべく奮闘した日本だったが、ベルギーの猛攻に徐々に劣勢となっていった(写真◎Getty Images)

リードを守るべく奮闘した日本だったが、ベルギーの猛攻に徐々に劣勢となっていった(写真◎Getty Images)

画像: 残り20分あまりで逆転され、初の8強入りは果たせなかった(写真◎Getty Images)

残り20分あまりで逆転され、初の8強入りは果たせなかった(写真◎Getty Images)

Jリーグ順位表(2018シーズン)
順位チーム
1川崎F6934216730
2広島57341761112
3鹿島56341681011
4札幌5534151090
5浦和51341491112
6FC東京5034148125
7C大阪50341311101
8清水4934147138
9G大阪483414614-5
10神戸453412913-7
11仙台453413615-10
12横浜FM4134125170
13湘南4134101113-5
14鳥栖4134101113-5
15名古屋413412517-7
16磐田4134101113-13
17393412319-7
18長崎30348620-20

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