歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第24回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成24年(2012年度)はサンフレッチェ広島が悲願のJ1制覇を果たし、ロンドンオリンピックで男女ともに躍進した年だ。

オリンピックで男女とも躍進

 オリンピックイヤーだったこの年、ロンドンで開かれたスポーツの祭典で、女子は銀メダルを獲得した。1月にアジア人として初めて女子FIFA年間最優秀選手賞を受賞した澤穂希がチームをけん引。初戦でカナダを下し、スウェーデン、南アフリカと引き分けたものの、グループ2位で決勝トーナメントに進むと、ここから地力を発揮する。

 ブラジルに2-0、フランスに2-1と勝利を収め、決勝に進出。前年の女子ワールドカップと同じく、アメリカとの決勝戦に臨んだ。しかし、女子W杯の再来とはならず、1-2で惜敗。それでも女子サッカーでは初めてメダル獲得であり、あらためて、なでしこジャパンの力を示すことにもなった。

 一方の男子も、初戦でスペインを1-0で下すと、モロッコに1-0、ホンジュラスに0-0で引き分け、決勝トーナメントに進出。4強入りを目指して臨んだエジプト戦も3-0で勝利し、準決勝に進んだが、この大会を制すメキシコに1-3と完敗。宿敵・韓国との3位決定戦も0-2で敗れ、44年ぶりのメダル獲得はならなかったが、関塚隆監督に率いられたチームの快進撃は、大きな話題となった。

◆平成24年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:サンフレッチェ広島
天皇杯:柏レイソル(第92回・12年度)
Jリーグ杯:鹿島アントラーズ
JリーグMVP:佐藤寿人(広島)
Jリーグ得点王:佐藤寿人(広島)
Jリーグ新人王:柴崎 岳(鹿島)
Jリーグ最優秀監督賞:森保 一(広島)
高校選手権:鵬翔高(第91回・12年度)
高円宮杯U-18:広島ユース
大学選手権:早稲田大
なでしこリーグ:INAC神戸レオネッサ

画像: ロンドン五輪で、なでしこジャパンは惜しくも準優勝に終わった。世界王者としてマークされる中で決勝に進出したことを考えても、それは誇るべき銀メダルと言えた(写真◎Getty Images)

ロンドン五輪で、なでしこジャパンは惜しくも準優勝に終わった。世界王者としてマークされる中で決勝に進出したことを考えても、それは誇るべき銀メダルと言えた(写真◎Getty Images)

画像: 女子W杯後、澤穂希から引き継いでキャプテンマークを巻いた宮間あや(写真◎Getty Images)

女子W杯後、澤穂希から引き継いでキャプテンマークを巻いた宮間あや(写真◎Getty Images)

画像: ロンドンオリンピックでは男子も躍進。初戦で強豪スペインを破るなど世界を驚かせた(写真◎Getty Images)

ロンドンオリンピックでは男子も躍進。初戦で強豪スペインを破るなど世界を驚かせた(写真◎Getty Images)

画像: 準決勝でメキシコ、3位決定戦で韓国に敗れ、メダル獲得はならなかった日本だが、OA枠で出場した吉田麻也(右)や大津祐樹らが世界の舞台で力を示した(写真◎Getty Images)

準決勝でメキシコ、3位決定戦で韓国に敗れ、メダル獲得はならなかった日本だが、OA枠で出場した吉田麻也(右)や大津祐樹らが世界の舞台で力を示した(写真◎Getty Images)

Jリーグ順位表(2012シーズン)
順位チーム
1広島6434197829
2仙台57341512716
3浦和5534151095
4横浜FM53341314711
5鳥栖5334158119
65234157125
7名古屋523415712-1
8川崎F5034148121
9清水493414713-1
10FC東京4834146143
11鹿島46341210127
12磐田4634137144
13大宮4434111112-7
14C大阪423411914-6
15新潟4034101014-5
16神戸393411617-9
17G大阪3834911142
18札幌14344228-63

This article is a sponsored article by
''.