歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第11回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成11年度(1999年度)は若き日本代表がFIFAの世界大会で初めて準優勝という結果を残した年だ。

上写真=ワールドユース決勝を戦った先発メンバー。後列左から中田浩二、永井雄一郎、遠藤保仁、手島和希、辻本茂輝、南雄太。前列左から小笠原満男、高原直泰、酒井友之、氏家英行、本山雅志(写真◎Getty Images)

コパ・アメリカに初参加

 日本サッカー史にさん然と輝く快挙だった。U-20代表がワールドユースで準優勝を果たしたのだ。

 前年に招へいされたフィリップ・トルシエ日本代表監督は翌年のシドニー五輪、さらに日韓ワールドカップに向けての選手層の拡充と底上げへ、年代別代表チームも兼任で率いた。エキセントリックとも称された指揮官はしかし、黄金世代と称される小野伸二ら若きタレントたちをたくましく成長させた。

 イングランドやメキシコなど強豪国を倒して、全世代を通じて初となる世界大会の決勝進出を決めた。最後はシャビらを擁するスペインに0-4と大敗したが、歴史を塗り替える、誇るべき銀メダルだった。

 A代表は招待国として、パラグアイで開催されたコパ・アメリカに参加。ペルーに2-3、パラグアイに0-4と連敗し、ボリビアに1-1で引き分けて大会を終えた。

 女子代表はアメリカで開催されたFIFA女子世界選手権(女子ワールドカップ)に出場。しかし、カナダと引き分けたものの、ロシア、ノルウェーに敗れ、グループステージで敗退した。世界との差はまだまだ大きかった。

■平成11年度の主な出来事(1999年シーズン)

・2月27日 ゼロックス杯で鹿島が清水を下し、大会3連覇
・3月14日 Jリーグが1部・2部制(J1・J2)導入。10チームが参加してJ2が開幕
・3月20日 鹿島がリーグ戦16連勝(※98年2ndステージから)を記録
・4月18日 鹿島がアジアカップウィナーズ選手権で3位となる
・4月24日 ワールドユース(ナイジェリア大会)で日本が準優勝
・4月30日 アジアクラブ選手権で磐田が初優勝を飾る
・5月26日 磐田がJ1・1stステージ優勝
・6月8日 名波浩がセリエAのベネチアへ移籍
・6月13日 Lリーグカップでベレーザが3年ぶり2度目の優勝
・6月26日 アメリカで開催された女子W杯で日本は1分け2敗でグループステージ敗退
・6月28日 シドニー五輪アジア1次予選を6連勝で突破
・7月5日 日本がコパ・アメリカ(パラグアイ大会)に出場。1分け2敗でグループステージ敗退
・7月31日 オールスターが開催され、J-WESTが勝利
・8月8日 インターハイは広島皆実高と八千代高が両校優勝
・8月23日 国立競技場でラモス瑠偉の引退試合を開催
・10月11日 JOMOカップにロベルト・バッジオ、レオナルドがゲスト参加
・10月23日 セリエAでペルージャの中田英寿とベネチアの名波浩が対戦。海外で初めて日本人対決が行なわれる
・11月3日 ナビスコ杯で柏が初優勝
・11月5日 川崎FがJ2リーグで優勝し、J1昇格が決定
・11月6日 シドニー五輪出場が決定
・11月14日 高円宮杯(U-18)は磐田ユースが初優勝
・11月18日 アジアスーパー杯で磐田が優勝
・11月21日 FC東京のJ1昇格が決定する
・11月23日 清水がJ1・2ndステージを制し、初のステージ優勝
・11月23日 大学選手権で国士舘大が2年連続4回目の優勝
・12月11日 静岡ダービーとなったチャンピオンシップで、磐田が2年ぶり2度目の優勝を果たす
・12月19日 Lリーグはプリマハムが優勝
・00年1月1日 天皇杯は名古屋が4年ぶり2度目の優勝(第79回・99年度)
・00年1月8日 高校選手権は市立船橋高が優勝(第78回・99年度)
・00年1月16日 全日本女子選手権で田崎が初優勝(第21回・99年度)

画像: 南米の頂点を競うコパ・アメリカに参加。日本は1分け2敗でGSは敗退となった。写真は伊東輝悦(写真◎サッカーマガジン)

南米の頂点を競うコパ・アメリカに参加。日本は1分け2敗でGSは敗退となった。写真は伊東輝悦(写真◎サッカーマガジン)

画像: コパ・アメリカの開催国パラグアイになすすべなく敗れた日本。世界の厳しさを改めて知った(写真◎サッカーマガジン)

コパ・アメリカの開催国パラグアイになすすべなく敗れた日本。世界の厳しさを改めて知った(写真◎サッカーマガジン)

画像: 女子世界選手権の3試合でゴールマウスを守った山郷のぞみ。苦しい戦いを強いられた(写真◎Getty Images)

女子世界選手権の3試合でゴールマウスを守った山郷のぞみ。苦しい戦いを強いられた(写真◎Getty Images)


This article is a sponsored article by
''.