上写真=JSL時代の名門・日産がマリノスとなり、J開幕後に初めてリーグを制覇した(写真◎J.LEAGUE)
ワールドクラスのJ競演
このシーズン、Jリーグの試合数は史上最多だった。14チームによる2回戦総当たり・2ステージ制で優勝が争われたため、通算で年間52試合を戦うことになったのだ。
長丁場のリーグ戦でそれまでの勢力図に変化が起きた。浦和レッズは元ドイツ代表ギド・ブッフバルトが統率する守備や、得点王となる福田正博の活躍などで躍進。名古屋グランパスエイト(当時)もリーグMVPに輝いたドラガン・ストイコビッチにけん引され、2ndステージ2位と急上昇した。名古屋は年度末の天皇杯を制してもいる。
そして、Jの覇権を手にしたのも新王者だった。シーズン途中にホルヘ・ソラーリ監督が帰国する混乱に見舞われた横浜マリノスだったが、川口能活、松田直樹ら若手の活躍もあって台頭。チャンピオンシップでリーグを連覇していた宿敵ヴェルディ川崎を破り、ついに頂点に立った。
またこのシーズンにもJリーグには大物が続々と来日した。とりわけ前年のワールドカップで優勝したブラジル代表のメンバー、ジーニョ(横浜フリューゲルス)、ジョルジーニョ(鹿島アントラーズ)、ドゥンガ(ジュビロ磐田)らがリーグを盛り上げた。
■平成7年度の主な出来事(1995シーズン)
・1月8日 加茂ジャパン初の公式戦となったインターコンチネンタル選手権で連敗を喫し、敗退
・1月17日 阪神・淡路大震災が発生。JFL所属のヴィッセル神戸は練習場を転々としながら活動する
・1月22日 横浜Fがアジア・カップウィナーズ選手権を制し、アジア初タイトルを獲得
・2月26日 ダイナスティカップ決勝で韓国を下し、日本が大会連覇
・3月11日 V川崎がゼロックス杯で連覇達成
・3月18日 Jリーグ開幕。94年W杯優勝メンバーのジーニョ、ジョルジーニョらがJデビュー
・3月26日 全日本女子選手権はプリマハムが優勝(第16回・94年度)
・4月7 日 ワールドユース(カタール大会)で初のベスト8進出
・6月6日 女子世界選手権(第2回女子ワールドカップ)でベスト8に進出し(アメリカに敗れる)、アトランタ五輪出場権獲得
・6月10日 聖地ウェンブリーでイングランドと対戦するなど、アンブロ杯に出場した日本の最終成績は1分け2敗
・6月15日 磐田に加入するブラジル代表主将のドゥンガが来日
・7月1日 ジェノアにレンタル移籍していたカズが古巣V川崎に復帰
・7月22日 横浜Mが初のステージ制覇
・7月29日 オールスターでJ・ヴェガがJ・アルタイルに勝利
・8月8日 U-17世界選手権(エクアドル大会)で日本はグループステージ敗退
・9月2日 ユニバーシアード(福岡大会)で初の金メダルを獲得
・9月3日 高円宮杯(U-18)で清水商高が3連覇を達成
・10月10日 JOMO CUPが開催され、JAPAN DREAMSがカズの2ゴールでWORLD DREAMSを下す
・11月15日 V川崎がニコスシリーズ3連覇達成
・11月21日 福岡と京都のJリーグ昇格が承認
・11月22日 ネルシーニョ代表監督誕生が決定的だったが、加茂体制継続が決定
・11月23日 大学選手権で駒澤大が初優勝
・12月6日 横浜Mがチャンピンシップを制し、初の年間王者となる
・12月24日 Lリーグでプリマハムが優勝
・12月27日 アジア・カップウィナーズ杯で平塚が優勝
・96年1月1日 天皇杯は名古屋が初優勝(第75回・95年度)
・96年1月8日 高校選手権は静岡学園高、鹿児島実高が両校優勝(第74回・95年度)