J1リーグは、残り4試合。首位・鹿島と同勝ち点で2位につけるFC東京は、ラグビーワールドカップ開催の影響で8月24日からアウェー8連戦を戦うことを余儀なくされてきた。だが、優勝争いの最終盤を迎える段になって、いよいよホーム・味の素スタジアムに戻る。11月23日の湘南戦、11月30日の浦和戦を前に、FC東京の生え抜きであり、FC東京でタイトルを取ると誓う橋本拳人にじっくり話を聞いた。言葉に端々から感じるのは、中心選手としての自覚、東京育ちとしての覚悟だった――。
 なお、今回のインタビューは連続企画の第1弾。毎週水曜日に4週にわたって『東京育ちの選手』の言葉を掲載していく予定だ。

監督には日々、成長させてもらっています

画像: FC東京で優勝することの意義を語った橋本(写真◎福地和男)

FC東京で優勝することの意義を語った橋本(写真◎福地和男)

――今季は苦しい時期も踏ん張りました。安定して勝ち点3を取っています。昨季は夏場から8戦勝ちなしと苦しみ、終盤に失速しました。苦い思い出が頭によぎったりしませんか。
橋本 今季は、すでにその夏場を乗り越えました。内容を見ても、昨季より安定して戦えています。ここから過去のことが頭によぎることはありません。すでに新たなステージに入っていますし、いまはリーグ優勝を目指して、気持ちを高めています。
――夏を過ぎても失速しなかった要因は何だと思いますか。
橋本 誰もが1年前の悔しさは忘れていません。昨季は気持ちをすぐに切り替えることができなくて……。初めての優勝争いだったこともあり、順位が下がってきたときにがくっときてしまった。ただ、今季は違います。練習から互いに厳しく要求していますし、チームの雰囲気は変わりました。勝てないときこそ、みんなで盛り上げて、次の試合に向かっています。今季はチーム状況が苦しくなっても、練習の強度を上げて、取り組めています。
――副キャプテンとして、仲間への声がけなど、引き締め方は変わりましたか。
橋本 僕は声でまとめるタイプではないので、みんなの元気がなければ、アグレッシブなプレーでけん引しようとしています。チームが苦しいときにこそ、僕が勢いづけるような姿を見せないと。言葉ではなく、献身的に働くことで貢献したいです。
――副キャプテンは2年目です。
橋本 チームから期待されていることは、理解しています。僕はナオさんがつけていた18番を昨季から背負っています。重みは感じていますし、責任感も芽生えました。これまでナオさんを応援していたファン・サポーターの方に「18番は橋本拳人でいいのか」と思われたくないので。僕はナオさんを超える存在になりたいと思い、18番をつけました。
――石川さんとプレースタイルは違いますが、橋本選手はどのような18番像にしていきたいですか。
橋本 チームの中心で輝くのが18番。そういうイメージにしていきたいです。攻撃でも守備でも存在感を示すボランチになります。
――昨季、お話を聞いたときは「チームの心臓となるのがボランチ」と話していました。全体を動かす心臓になってきましたか。
橋本 昨季以上にアグレッシブなプレーを出せるようになってきました。
――言葉も変わってきています。昨季は「全体のバランスを取ること。動きすぎないということを意識している」と語っていました。
橋本 今季は長谷川健太監督に求められるプレーを見せつつも、プラスアルファで自分の持ち味を出すことを意識しています。ゴール前に入っていく動き、得点に絡むプレーはファン・サポーターの方々も期待していると思います。もちろん、いまの役割を果たした上で、個性を出していくつもりです。
――昨季、途中交代する試合もありましたが、今季は全試合先発フル出場を続けています。
橋本 本当にコンディションがいいんです。プロキャリアを振り返っても、ここまで試合に出続けたことはなかったです。最後までやり切りたいと思っています。フル出場して、チームを勝利に導く存在になっていきたいです。
――昨季以上に長谷川監督の信頼が厚くなったのでは?
橋本 どうでしょうか。長谷川監督には、普段から厳しく指導してもらっています。怒られないように頑張っています(笑)。いまでもチクリと言われていますから。「(日本)代表から戻ってくると、パフォーマンスが悪いな」とか。疲労が溜まっているときでも、何も言われないくらいのプレーを見せないといけません。日々、成長させてもらっています。


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