高円宮杯プレミアリーグWESTで上位争いを繰り広げる両者の一戦は、G大阪ユースが先手を取る。15分、MF福井和樹のCKにMF長尾優斗が頭で合わせ、先制点を奪う。だが、ここから京都U-18に粘り強さを見せられる。23分にMF木村歩夢のミドルシュートで同点とされると、後半に入って71分にDF西村翔の直接FKで再び勝ち越すも、その2分後に京都U-18のキャプテン・MF川崎颯太に左足でゴールを決められ、スコアは2-2に。それでも、途中出場のMF久保勇大が、FW大谷優斗のパスに抜け出して右足でゴールネットを揺らし決勝ゴール。点の取り合いを制したG大阪ユースがベスト4入りした。

上写真=76分にG大阪ユースの久保勇大が決勝ゴールを決める(写真◎サッカーマガジン)

■2019年11月3日 2019Jユースカップ準々決勝(Jヴィレッジスタジアム)
京都U-18 2-3 G大阪ユース
得点者:(京)木村歩夢、川崎颯太 (G)長尾優斗、西村翔、久保勇大

「サポーターの皆さんを日本一にしたい」

「京都が良いチームなのは分かっていました。今年はうちが勝てていなかった中、(2度同点に)追い付かれても下を向かず、突き放せてよかったです」

 高円宮杯プレミアリーグWESTで優勝を争うライバルの京都U-18を破り、G大阪ユースを率いる島田貴裕監督は満足げな表情を浮かべた。先制しても追いつかれ、2点目を奪っても再び同点とされたが、指揮官が「途中から流れを変えられる選手。交代で出してもすぐに仕事をしてくれる」と信頼を寄せるMF久保勇大が最後に決勝ゴールを奪い、京都U-18に競り勝った。

「(味方からのパスを受けた)あのスペースは、ベンチから見ていて空くのが分かっていた。センターバックと対峙して、キーパーがちょうどブラインドとなるコースに僕の得意な形でシュートを流し込めました。イメージ通りのゴールです。スタメンでも、途中から(の出場)でも関係なく、出た時間で、与えられた場所でプレーするのが僕たちの役目。勝利に貢献できてよかった」(久保勇大)

 殊勲の“スーパーサブ”は、左サイドで抜け出して斜め45度の角度から右足で決めた決勝ゴールをそのように振り返る。「Jユースカップでは今のところ、出た試合すべてでゴールを決めている。良い流れで来ているので、今日も決めることができる気はしていました」と、ヒーローとなる予感があったことを明かした。

 ただ、勝利の立役者となっても、決して浮かれる様子はない。「僕は幼稚園の頃から13年間、ずっとガンバに育ててもらった。このクラブを心の底から愛しているし、このクラブは僕の中心にある」と語るように、自身のゴールよりもチームの勝利が第一だ。

「まずは勝利に貢献できるように、しっかりと走って、球際で戦う。その上で点を取ることができればいいと思っています」

 難敵を倒し、その視線はすでに頂点へと向いている。優勝を狙う原動力の一つに、サポーターの存在がある。決勝ゴールの直後にはバックスタンドへと一目散に駆け寄り、声援を送るサポーターと、久保を追いかけてきたチームメイトと共に喜びを爆発させた。

「気づいたらもう、(サポーターの元へ)向かっていました。ゴールを決めたら、絶対にサポーターのところへ行きます。中学1年生のときからずっと応援してくださっている方々なので、最後は僕たちがサポーターの皆さんを日本一にしたい」

 また、3年間共に戦った仲間とも、有終の美を目指す。この試合では、久保が投入されてピッチ上の11人全員が3年生となった。

「ジュニアユースから一緒にやっているメンバーもいるし、ユースから入ったメンバーもいます。寮生活をしていて、寝るとき以外はずっと同じ空間にいる。(高校生活は)残り少ない中、最後に2つのタイトル(Jユースカップと高円宮杯プレミアリーグ)が残っているので、3年生全員でしっかり2つ取って良い思い出を作れるように、練習からみんなで切磋琢磨して、もっと成長していきたいです」

 強い絆で結ばれる仲間とサポーター、そして愛してやまない『ガンバ大阪』というクラブのために、久保はゴールへと走り続ける。

取材◎小林康幸

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