上写真=追加点を挙げた大崎をチームメイトが祝福する(写真◎J.LEAGUE)
■2019年9月28日(土) J1リーグ第27節
川崎F 1-2 神戸
得点:(川)長谷川竜也 (神)ビジャ、大﨑玲央
初得点は素直にうれしい(大﨑)
187センチの大きな体ごとゴールに飛び込み、得意の頭で貴重な追加点を押し込んだ。大﨑玲央にとっては、プロ5年目でうれしいJ1初得点となった。
「素直にうれしいです。チームが勝てたことが何よりも良かった。これからもチームのために頑張っていきたい」
大﨑はイニエスタのクロスをフェルマーレンが折り返してくると、確信していた。「練習からよく話しているので」。トレーニングでも、同じようなパターンの練習をしていたのだ。ゴールをお膳立てしたフェルマーレンは言う。「レオ(大﨑)は英語が話せるので助かっている」。言葉の壁がないのも大きい。
語学力は、神戸の最終ラインを統率する上でも欠かせない要素になっている。大﨑が中央を務める3バックの両脇は、ヨーロッパでプレーしてきたベルギー人のフェルマーレン(左)とブラジル人のダンクレー(右)。その2人とうまく連係する上で、コミュニケーションは必須だ。大﨑は「基本的なことしか言っていない」と言うものの、そのプレーぶりはこの日も堂々としたものだった。マークの受け渡しをスムーズにこなし、相手をフリーにすることはほとんどなかった。後半アディショナルタイムに味方と交錯して、1失点を喫した以外は、ほぼ完璧に川崎Fの強烈な攻撃陣を封じ込めた。
大﨑は昨年途中まではJ2の徳島でプレーし、J1はまだ2年目。それでも、センターバックとしての能力の高さをすでに存分に示している。浅い最終ラインを守るカバーリング能力に加え、空中戦でもほとんど負けることはない。さらに足元の技術にも優れ、ビルドアップが安定している。元バルセロナ(スペイン)でベルギー代表歴を持つフェルマーレンは、同じディフェンダーとして太鼓判を押す。
「レオはスピードがあり、フィジカルも強い。チームのための守備もしっかりできる。ディフェンダーとして、間違いない能力を持っている」
桐蔭横浜大を卒業後、アメリカでプロキャリアをスタートした変わり種だ。英語を流暢に話し、多国籍軍と化した神戸でも難なくフィットしている。復調してきたチームを支える重要なキーパーソン。スピードと優れた技術を備える大型のセンターバックは、現代サッカーにおいて不可欠な人材だが、まだ日本代表歴はない。現在、28歳。招集する価値は十分にあるのではないだろうか。
取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE