上写真=栃木の前線で奮闘する三宅(写真◎J.LEAGUE)
■2019年9月1日 J2リーグ第30節
栃木 0-3 水戸
得点者:(水)福満隆貴、黒川淳史、小川航基
「まずは絶対に走り切らないといけない」
栃木の背番号31は、水戸の選手たちが回すボールを何度も追いかけた。
「水戸は(パス回しが)うまいので、そこにどれだけプレッシャーをかけられるか。(プレスに)引っかけられればチャンスになると思っていたので、個人として狙っていました」
そう話すのは、この日4-2-3-1システムのトップ下に入った三宅海斗だ。「チームが一つになるために、犠牲になるというわけではないですけれど、そういう(ボールを追いかける)選手が必要だと思ったので、その役を買って出ました。そういう面で、今日はやることはやったのかなという感じです。結果を出せれば良かったけれど、(相手GKの)ファインセーブもあり、ちょっとついていなかったかなという感じもありますね」と、水戸戦を振り返る。
名門・東福岡高校出身の三宅は高校3年次に、夏のインターハイと冬の全国高校選手権を制し、“高校2冠”を達成。右サイドから切れ味鋭いドリブルで仕掛け、中央に切れ込んでは得意とする左足のシュートで、何度もゴールネットを揺らした。
だが、「大学生のときからですかね」と明かすように、高校卒業後に進学した鹿屋体育大学で、ハードワークの意識がより高まっていった。そして、大学2年次にドイツへと渡り、今年7月にフォルトゥナ・デュッセルドルフU-23から栃木に加入した。
「栃木を助けるために来ました。いま(チームで)結果が伴っていなくて、サポーターに辛い思いをさせている。だから、まずは絶対に走り切らないといけないし、気持ちを見せて戦わなければいけない」と、もがきながらも勝利への執念を燃やす。
今季のJ2リーグも残すところ12試合。栃木としては、4年前に経験したJ3降格を避けるためにも、まずは降格圏から抜け出すべく勝ち点獲得が求められる。
「(J2下位チームとの)直接対決もあるので、チームとして一つになって、やることをやる。結果が伴わなければいけないし、そういう責任を感じながら戦わなければいけないと感じています」
栃木で戦う覚悟と決意を胸に、J2残留を果たすべく、22歳のアタッカーは目の前の一戦一戦に向かっていく。
取材◎小林康幸