浦和は2試合連続で土壇場で追いつき、勝ち点1を拾った。2点を追う前半終了間際、興梠慎三のゴールで1点差に詰めよると、後半は猛攻撃を仕掛ける。前線から果敢にプレスをかけてボールを奪い、チャンスを創出。攻め続けた後半アディショナルタイム、関根貴大が同点弾を叩き込んだ。4日前の鹿島戦と同じく、劇的なゴールを生み出したのは左利きのジョーカーだった。

上写真=名古屋戦でも同点ゴールを演出した山中(写真◎URAWA REDS)※写真は7月31日鹿島戦のもの

■2019年8月4日 J1リーグ第21節
浦和 2-2 名古屋
得点者:(浦)興梠慎三、関根貴大 (名)和泉竜司、前田直輝

「結果的にピンポイントに見えるだけ」(山中)

 鋭くぐっと曲がり、味方の頭にぴたりと届く。山中亮輔の左足キックは精度が高いばかりではない。とにかく球速が速いのだ。終了間際、左サイドでボールを受けると、悪魔の左足がうなる。相手も警戒してコースを消すように立っていたが、物ともしなかった。

「その前に相手にクロスを当てていたので、まずブロックされないようにと思いました。真横に蹴った感じですね。あれは、中で合わしてくれた関根のおかげ。入り方が良かった。個人的には理想のクロスではない。結果的にピンポイントのように見えるだけです」

 相手の守備陣を棒立ちにさせるほどのクロスだったが、本人は納得していなかった。鹿島戦で終了間際のアシストもゴールを決めた興梠慎三のポジショニングを称賛するばかりで、自らのクロスの評価になると、「スペースに蹴っただけです」と素っ気なかった。

 そこにはスペシャリストならではのこだわりがある。

「しっかりと中の選手を見て、メッセージ性のあるボールを蹴りたいんです。それこそ、自分の狙ったところにピンポイントで届けたい」

 2試合連続で途中出場し、後半アディショナルタイムに同点ゴールをアシスト。劇的なドロー劇を演出しても、本人は満足していない。むしろ、悔しさをにじませていた。

「先発へのこだわりはある。やっぱり、スタートから出たいです」

 だからこそ、アシストだけでは足りないのだ。ラストワンプレーのシュートチャンスで決めきれなかったことを悔いた。

「左利きなら決めないといけなかった」

 関根が加入し、ポジション争いはよりし烈になっている。それでも、負けるつもりはない。この厳しい競争が、浦和を強くするはずだ。

取材◎杉園昌之

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