3月シリーズで日本代表に初選出された橋本拳人は、刺激的な日々を過ごすことができているという。22日のコロンビア戦では出場機会がなかったが、26日のボリビア戦で代表デビューを飾ることができるか。ノエビアスタジアムの練習後に、現在の心境と次戦に向けて抱負を語った。

上写真=コロンビア戦では出場機会なし。橋本拳人はボリビア戦で初キャップを刻めるか(写真◎サッカーマガジン)

激戦区のボランチに割って入るために

 守田英正の負傷離脱に伴い、追加招集された橋本にとって、チームに合流した19日からの6日間は、初めて尽くしの刺激的な日々になったという。その刺激の中身は、たとえば海外組から直接聞く話であり、練習で体感した選手たちの高いスキルだ。

「海外でやっている選手に、どういう生活しているかとか、どういうサッカーをしているかとかを聞いて。海外での話はすごく新鮮というか、面白い話が聞けて刺激になりました。それぞれの場所ですごい選手がたくさんいるという話も聞きましたし、厳しい環境でみんな戦っていると聞いて、もっともっと自分に厳しくやっていかないといけないなと思いました。
(代表での練習では)やっぱりパススピードだったり、ボール回しのテンポというのは早いなと感じました。いつもより頭を使いますし、次に自分がどうプレーするかというのを心掛けて今、練習をやっています」

 とはいえ、代表常連組がまったく別次元の存在と映ったかというとそうではない。コロンビア戦は自身がプレーするイメージをしっかりと持ちながらベンチで見つめていた。

「常に自分がプレーするのを意識して見ていました。前半とか、コロンビア相手に面白いサッカーを、躍動感あるサッカーをやっていたので、そこに入っていけるようにイメージしていました」

 結局、コロンビア戦では最後まで出番がなかったが、その姿勢や心構えは来るべき時への備えとして不可欠なものだろう。実際、ボリビア戦で出場機会が訪れる可能性はある。

「FC東京でやっているプレーと、役割としてはそんなに変わらないと思うので、いつもどおりプレーすることを心掛けてやりたいなと思います。
 ビルドアップの時にボランチのポジションニングだったり、常にいろんなところに顔を出して、もちろん縦に早く行ける時は行くけど、ボールを落ち着かせる時はやっぱりボランチが中心になってビルドアップしていくということを(監督は)言っていたので、そこは自分の役割として頭に入れながら試合に臨みたいなと思っています」

 森保ジャパンのボランチは激戦区だ。コロンビア戦に出場した柴崎岳、山口蛍、小林祐希に加え、昨年9月からの12試合では遠藤航、青山敏弘、守田英正、三竿健斗らがボランチとして招集され、プレーした。最初の合宿に招集されながら負傷で離脱した大島僚太もラージグループには入っているだろう。さらに今年1月のアジアカップでは故障者が相次いだチーム事情からではあるものの、本来DFの冨安健洋と塩谷司もボランチとしてプレーしている。
 多士済々のこれら代表ボランチの中に割って入っていくのは容易ではない。ただ、橋本本人はクラブでチームメイトの室屋成が「(コロンビア戦で)普通にやっていたので刺激になりましたし、負けてられないなという気持ちもあります」と話すなど、代表定着に意欲的だ。

 橋本はボランチだけではなく、右サイドバックなどDFとしてのプレー経験もあり、ボール奪取能力や豊富な運動量に加え、その万能性も大きな魅力だ。複数ポジションをこなせることは代表定着へのアピールポイントにもなる。だが、今回はボランチとしてのプレーを評価されて代表に呼ばれた。やはり同ポジションで、できるところを示す必要があるだろう。
 現在25歳。ようやく巡ってきたこのチャンスをつかむことができるか。

取材◎佐藤 景 写真◎小山真司、サッカーマガジン


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