上写真=開幕戦を無失点で終えた王者・川崎Fの守備の要、谷口(写真◎J.LEAGUE)

■2019年2月23日 J1リーグ第1節
 川崎F 0-0 F東京

3連覇を狙う王者・川崎フロンターレの開幕戦はFC東京と引き分け。白星スタートとはいかなかったが、守備の要、谷口彰悟は勝ち切れなかったことへの反省とともに、手応えも口にした。

やられない、やらせない

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 ゴールを奪うことはできなかった。一方でゴールを許すこともなかった。
 リーグ開幕戦。FC東京との『多摩川クラシコ』はスコアレスドローに終わった。ホームであることを考えれば、当然、勝ち点3を手にしたいところ。後半はボールを保持して相手を押し込み、小林悠や中村憲剛が決定機をつかんだ。はたして決め切れずに勝ち点2を失うに至ったが、守備面をクローズアップすれば、決定的なピンチは少なかった。そこに見えたのは王者の王者たるゆえん。CBの谷口彰悟は言う。

「(前半は)ボールの取りどころが見つからないなという感じでやっていたんですけど、それでも最後はやらせなければというところは頭の中に入っていて、常に冷静にできました。前半、ファウルが多くてセットプレーは気になりましたけど、そこも集中して対応できた。後ろは比較的、落ち着いて対応できていたかなと思います」

 連覇を果たした昨季、失点はリーグ最少の27だった。無失点ゲームは15試合あり、看板の攻撃力だけではなく、守備力も優勝の原動力となった。華麗なパスワークや厚みのある攻撃は間違いなく川崎Fの強みだが、堅守もチームの武器に違いなかった。

「今日も何度か、ピンチはありましたけど、最後の最後でみんなが体を張ってゴールを守って防ぐシーンは多かったですし、そこがベースになって来ている」

 やられないという自信と、やらせないという自信。昨季、守備面で深めた自信は、この開幕戦でも生かされていた。もちろん、望むのは昨季以上に堅い守備であり、突き詰めなくてはいけない部分や課題はまだまだある。ただ、誤った道を進んでいないと思えることで、その歩みはいっそう力強くなる。

「もちろん、今日も勝ちにいきましたが、こういったゲームは間違いなくあります。だからチャンスをもっともっと作らなければいけないと思いますし、もっともっと自分たちの技術を上げる、レベルを上げるというところは追求していかないといけない。そこは今日の試合を通じて実感した点だと思う。幸いにもまた、ちょっと(次の試合まで)練習する時間があるので、もう一回、意識を合わせるというところはやっていきたいですし、鹿島とホームでやれるので良い準備をしていきたいなと思います」

 次節はACL出場の関係もあり、3月1日金曜日に開催される。シーズン序盤に訪れる大一番。J王者の守備要は、アジア王者・鹿島との対戦に照準を合わせた。

「昨シーズンもちょっと思っていましたけど、今年に関してはより(ほかのチームから川崎Fに対するマークが)強くなるだろうと思っています。今日も(相手は)徹底した戦い方でした。でもそれをしっかり逃げずにというか、しっかり対応しながら、なおかつ自分たちの時間をつくり、自分たちの崩し、ゴールを奪う方法を出していくという作業が必要になっていくと思う。そこは我慢強く戦い続けるということをやらなければいけないと思っています」

 連覇した過去2シーズンと違って、開幕戦を勝利で飾ることはできなかった。しかし、ベースになっているものには大きな違いある。中村憲剛は開幕戦を終えて「やることが整理されている」と話したが、現在のチームは目指すべき場所、やるべきことを共有している。だからこそ、修正もきく。

「自信をもってやっていいんじゃないかなと」

 今シーズンの守備に関して重要になるのは「自信」。無失点で終えた開幕戦の試合後、谷口はそう言った。

取材◎佐藤 景 写真◎J.LEAGUE


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