上写真=新たな挑戦に臨む馬渡 写真◎サッカーマガジン
J1の川崎Fは27日、川崎市内で新体制を発表した。新加入選手の一人、DF馬渡和彰は大きな希望とともに新たな挑戦に臨む。
「自分自身に問いかけた」
見事なステップアップを果たしてきた。2014年、プロキャリアのスタート地点はJ3だった。鳥取で2年を過ごすと、次の2シーズンは金沢、徳島とJ2でプレー。そして昨年は、広島でついにJ1のピッチを踏み、今年、J1王者の扉を叩いた。
J3からスタートした時点で、「(その先には)辞めるか、上がっていくしかなかった」と馬渡。ただし、「自分一人だったら逃げていたかもしれない」と振り返る。その背中を押したのは、自分が大黒柱となる「家庭」を持ったという事実だった。「守るものもあったし、たぶん自分の中に覚悟があったんだと思います」。
4年がかりで到達したJ1の舞台だったが、広島ではルヴァン杯は6試合にフル出場したものの、リーグ戦では4試合出場にとどまった。それでも複数のオファーが届き、またしても新たな選択肢を手にした。「どこでサッカーをしたいのか、どういうサッカーの中で勝負したいのか。いろいろなものも含めて、自分自身に問いかけました」。選んだのは、J1王者での挑戦だった。
左サイドもこなすものの、主戦場は右サイド。ただしクラブは、右サイドバックにブラジル人DFマギーニョを獲得している。
決して試合出場を約束されているわけではない。だが、「川崎のスタイルが明確にある中で、自分のストロングポイントをどう出せるかを考えながら」と、青写真は描けている。
持ち前のサバイバル力を披露する、これ以上の舞台はない。
取材◎杉山孝