上写真=キルギス戦では、これまで以上に出場時間を増やすと予想されている北川航也(写真はベネズエラ戦)

 森保一監督がキルギス戦の前日会見でメンバーの大幅な入れ替えを示唆したことで、先日のベネズエラ戦で控えだった選手たちの起用が濃厚となった。10月、11月とここまで2度の代表活動で、2度途中出場を果たしている北川航也が、これまで以上の出場時間を得ることは間違いないだろう。前日練習を終えて取材に応じた若きアタッカーは、自身の代表における立ち位置と意気込みを語った。

常にイメージを持ちながらやれている

 北川の持ち味は、相手ディフェンスと駆け引きしながら裏に飛び出してゴールに絡んでいくプレーと、高いシュート技術だ。所属する清水エスパルスではそのプレーで、今季ここまでにキャリアハイとなる13ゴールを挙げている。日本代表でも、その特長を生かしたいと本人は言う。

「相手の背後を突くところは、常に狙っていきたいと思うし、相手のディフェンスラインをひっくり返すことによって(チームが)押し込む時間が増えると思う。それは自分がエスパルスでもやってきていることなんで。頭に入れてプレーしていこうとは思っています。
 チームとして決まりごとというのがありますけど、自分の持っているものをゲームで出せればと思うし、自分がいまできることを最大限やることで、チームの勝利に貢献できるかなと。エスパルスでやっていることが評価されて、ここにいると思うので、とくに何かを変えることはなく、評価されたものを代表チームでも出せればと思う。その力を発揮できればな、と思います」

 気負いは、ない。若きアタッカーが口にした代表での自身の姿は「普段着の自分」だ。特別なことをするのではなく、Jリーグで見せてきた力を出すことこそが代表定着への近道であり、チームに貢献することだと理解している。その上でいま、必要と感じているのが結果だ。

「段階は踏めていると思っています。次は分かりやすい結果になっていくと思うし、それが一番、自分にとって必要だと思う。FWである以上、結果を残していければ。それ以外でもチームを助けることができればと思っていますが。まずチームが勝つことを優先に、その一人としてピッチに立っていられればなと思います」

 10月に日本代表に初招集されると、10月12日のパナマ戦は66分から途中出場。先日のベネズエラ戦(11月16日)も68分から途中出場を果たした。着実に歩みを進めている。ただ、来年1月に開催されるアジアカップでのメンバー入りを目指す上で、今回の試合が重要な意味を持つことも理解している。だからこそ、結果がほしい。

「年明けにアジアカップがあるというのは、代表が新しくなってから分かっているところなので、自分としてはまず、そこで選ばれることを第一にやってきました。今回(11月シリーズで)選ばれて、これが最終(のテスト)だと思っているので。そこでいかに自分のプレーを出すか、結果にこだわってやれるかに重点を置いてやっています」

 キルギス戦はアジアカップ前、最後の親善試合。つまりは直接アピールできる最後の機会ということでもある。指揮官は「より多くの選手が誰とでも連動連係できるように。一人でも多くの選手に絡んでいってもらえるように選手層を厚くできれば」と代表チームの在り方について話している。そのことについて、本人に尋ねた。すなわち、現在のチームの魅力の一つとされる2列目の3人(中島翔哉、南野拓実、堂安律)とともにプレーする自分を想像できていますか、と。

「アジアカップを戦う上では(メンバー)固定で行けるわけはないと思っているので、そこで自分が出たときにどうやって活躍するかというのは、常にイメージを持ちながらやれていると思うし、強烈な個を持った選手たちがいますけど、その選手たちを生かしながら、自分も生かされながらというところは意識してやれています。
 あれだけドリブルでカットインしてくれれば、自分の良さも生きると思うし、前向きで仕掛けられるので。攻撃は好きなので、そこは力を出せるかなと思って練習やっています」

 連動連係する自分。アジアカップを戦う自分。
  
 清水エスパルスが誇るアタッカーは、アジアの頂点を争う舞台でプレーする自分をしっかり描いていた。今宵のキルギス戦。北川はアピールに成功し、アジアカップへと続く扉を開くことができるかーー。

取材◎佐藤 景 写真◎Getty Images


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