上写真=10月シリーズに向けて日本代表は8日に合宿をスタート。緊急招集の北川も初日から参加した(写真◎BBM)
10月シリーズに臨む日本代表は8日、パナマ戦(12日)が行なわれる新潟市内で合宿をスタートさせた。今月4日に23人の招集メンバーを発表していたが、先週末に開催されたブンデスリーガで浅野拓磨(ハノーファー)、J1リーグで小林悠(川崎F)が負傷し、今回の代表活動は不参加に。急きょ、2人のFWが追加招集されることになった。一人が川又堅碁(磐田)、そしてもう一人が初招集の北川航也(清水)だった。
エスパルスから久々の日本代表
ジュビロ磐田との静岡ダービーで2ゴールを挙げた7日の深夜、0時過ぎのことだった。予想外の吉報が清水エスパルスの若きアタッカーのもとに届く。
「(代表入りの知らせを聞いて)びっくりしたっていうのが率直な感想です。ここがスタートラインで、やっと立てたと思うし、自分としてもこの合宿をいいものにできればと思います。自分の特長を出して、選手間、スタッフとのコミュニケーションを取っていければ」
北川のセールスポイントは、裏抜けだ(相手DFの背後に抜けるプレー)。今季はそのプレーに磨きがかかり、ここまで11ゴールを積み上げている。自身初の2ケタゴールだ。
「エスパルスでやっているプレーと特別変わったことを(代表で)やる必要はないと思うので、いつも通りというか、やっていることを出せたらと思います。誰と試合に出るのか分かりませんが、その選手の特徴を見て、その上で自分のプレーができればと思うし、チームが勝てるように最善の選択をしたいと思います」
これまで『代表』と無縁だったわけではない。得点を生み出す能力は下のカテゴリーでも評価を受け、たびたび青いユニフォームに袖を通してきた。ただ、A代表に招集されたのは今回が初めてのこと。それでも、北川に気負いはない。
「(ロシアW杯で)日本代表が世界と渡り合っているというのを見ると、『自分も』という気持ちになりました。それに世界を見れば若い選手が多く(試合に)出ていて、自分にもチャンスがあると思っていましたし、結果を残し続けるというところにはこだわって(ここまで)やれていたので。(これからも)継続してやっていくだけだと思います。
小さいころから(日本代表は)目標でした。やっぱりエスパルスから日本代表に出るというのは、(フィールドプレーヤーでは)岡崎(慎司)さん以来ということで、サポーターの方々も期待してくれていると思うし、自分がこれまでやってきたことをピッチの上で出せれば」
少年時代から清水エスパルスでプレーする岡崎に憧れてきた。実際にスタンドでそのプレーを見て、胸を躍らせたことは一度や二度ではない。「得点に関しては見習うところしかない」「その背中は常に自分の中にあった」というのが、北川の岡崎評だ。
そんな憧れの選手と2年ほど前に食事する機会を得た。それ以来、折に触れてアドバイスを受けてきたという。今シーズンも調子を落とし、ゴールから遠ざかっていた時期に連絡を入れて、胸に響く言葉をもらっていた。
「結果が出ないときに連絡したら『継続してやることが大事』だと。そして『シュートを打ち続けろ、ドリブルをし続けろ、プレスをかけ続けろ、クロスに入り続けろ』と」
エスパルスから世界に羽ばたいた岡崎慎司に少しでも近づけるように。北川はシュートを打ち、ドリブルし、プレスをかけ、クロスに飛び込み続ける。
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