■2018年3月18日 J1リーグ第4節
浦和 0-1 横浜FM
得点者:(浦)なし
    (横)ウーゴ・ヴィエイラ

横浜FMは無失点に抑え、今季リーグ戦初勝利を挙げた。序盤からボールを保持して戦い、再三チャンスをつくる。81分には前半と後半に計2度の決定機を外していたウーゴ・ヴィエイラが均衡を破るゴールをマークし、決勝点とした。浦和は前から奪いに行く守備が機能せず、後半に失速した。攻撃も不発に終わり、リーグ戦では4戦勝ちなし。

「臨機応変にプレーすることが大事」

完ぺきなお膳立てだった。81分、相手ゴール前の左サイドでボールを受けた横浜FMの山中亮輔は鋭いドリブルで中央へ切れ込むと、相手DFを十分に引き付け、フリーのウーゴ・ヴィエイラへ。
「何でもできる状態だった。僕が右足でシュートを打つ選択肢もあったけれど、ウーゴへパスを出したほうがいいと思った」

味方のストライカーを最後まで信じ、しっかり結果につなげた。この日、2度の決定機を外していたポルトガル人FWも、時間の余裕をつくってもらった3度目の決定機は、さすがに冷静にゴールへ流し込んだ。
「僕にアシストをつけてくれた。ウーゴのおかげだと思っている」
山中の表情は晴れ晴れとしていた。

今季はアンジェ・ポステコグルー新監督のもと、新たなパスサッカーに取り組んでいる。昨季までと同じ左サイドバックでも、求められる役割は大きく異なる。ビルドアップするときは中盤に入り、ボランチの隣で攻撃の組み立てにも加わる。従来のポジション像から逸脱し、ときに「偽サイドバック」とも言われるが、そのポジショニングは緻密そのもの。
「このサッカーは、味方のポジションをよく見ないといけない。僕はボランチのタカくん(扇原貴宏)の位置を見て、どこに動いてパスを受けるかを考えている」

浦和戦の前半は中盤の中央に入り過ぎて、効果的にボールを絡めなかった。しかし、後半はタイミングよく立ち位置を変えながらプレーし、パスの出し手にも受け手にもなった。そしてゴール前に顔を出すと、持てるテクニックを存分に生かした。

「臨機応変にプレーすることが大事。そうすれば、もっとチャンスをつくれる」
どん欲に新監督の戦術に吸収する24歳の目は輝いていた。試合のなかで試行錯誤を続けており、さらなる進化の気配が漂う。

柏から横浜FMに移籍して2年目。気鋭のオーストラリア人監督から多くの刺激を受け、攻撃センスあふれる24歳はいま新境地を開こうとしている。

  
文◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE PHOTOS
 


This article is a sponsored article by
''.