■2018年3月13日 AFCチャンピオンズリーグ第4節
鹿島 1-1 シドニーFC(オーストラリア)
得点者:(鹿)金崎夢生
(シ)マシュー・サイモン
3月13日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節が行なわれた。
グループHの鹿島は、27分にセットプレーの流れから金崎が頭で決めて、幸先よく先制するも、後半に追いつかれ、ホームでシドニーFCとドロー。それでも、勝ち点1を積み上げたことにより、次の上海申花戦(4月3日)に引き分け以上の結果でラウンド16進出が決まる状況となった。
グループFの川崎Fはアウェーでメルボルン(オーストラリア)に敗戦。スコアレスで迎えた90分に失点し、0-1で勝ち点を落とした。4試合を終えて1分け3敗と、いまだ未勝利の最下位だが、2位の蔚山(韓国)も敗れたため、苦しい状況下でもグループステージ突破の可能性は残された。
また、翌14日にはC大阪がブリーラムをホームに迎えて、グループGの2位以内浮上を狙ったが、常に先行を許す苦しい展開となり、引き分けに持ち込むに留まった(C大阪は3位)。敵地でグループE最下位の傑志と対戦した柏は、アディショナルタイムにまさかの失点。柏も上位進出はかなわず、グループ3位のままとなっている。
かつてのチームメイトとの再会も
日本代表コンビに割って入る存在として期待されるセンターバックが、初めて本拠地カシマスタジアムのピッチに立った。
「本当に良いスタジアムだし、平日の夜でも多くのサポーターが来てくれて、自然と『勝ちたいな』という気持ちが湧いてきた。だから、(勝てなくてサポーターに)申し訳ないなと思う…」
犬飼智也が引き分けという結果に落胆した理由は、“ホームゲームだったこと”の他にもあった。
「この試合は普段出られていないメンバーが多かったので、みんな口にはしていないけれど『やってやろう』という気持ちは強かったと思う。本当は勝利という結果を残すことで、その気持ちを表現したかった」と、悔しさを噛みしめる。
3日前のJ1第3節広島戦(●0-1)から、先発メンバーを8人入れ替えて臨んだだけに、特にスタメンのチャンスを得た選手にとって、勝利を逃した失意は大きい。犬飼もそのひとりだ。
それでも、ポジションを争う昌子源と植田直通の存在には、一目置いている。
「(昌子)源くんが隣にいると安心するし、もちろんナオ(植田)も、彼特有の強さがあるので、隣にいると心強いし、自分もやりやすい。見本となる選手がいるので、自分の良さも出しながら、2人の盗めるところは盗んでいきたい」。良きライバルの存在に、表情も引き締まる。
そんな犬飼も、かつてのチームメイトの話を振られると、頬がゆるんだ。
「ああいう選手ですよ、一緒にプレーしたのはもう6シーズンも前ですけれど、そんなに印象は変わりません。しゃべっても相変わらずいいヤツだったし、(当時の)プレースタイルもああいう感じでした」
犬飼がまだ清水のトップチームに昇格したばかりのころ、ともに戦ったオーストラリア人FWのアレックス・ブロスケのことだ。アジアの舞台で、敵として対戦したことについて、そう感慨深そうに話した。
「なんでもできる選手。相手の嫌なポジションを知っているし、すごくクレバーな選手だなと思います」。実際にマッチアップした際には手を焼いたという。
シドニーFCとの2試合を終え、チームは首位で残り2試合を迎える。“あと1勝”すればグループステージ突破となる状況で、次の出番に向けて再び気を引き締め直す。
「常に試合に出る準備はできている。どういう相手でも、まずは自分のプレーを出し切ること。出たときに自分の100%の力を出せるように、日々のトレーニングをやっていきたい」
鹿島の躍進を支えるセンターバックとなるために、犬飼はさらなる高みを目指す。
■グループH/勝ち点(勝-分-負)得失点
1位 鹿島 8(2-2-0)3
2位 水原三星 7(2-1-1)3
3位 上海申花 3(0-3-1)-2
4位 シドニーFC 2(0-2-2)-4
■グループE/勝ち点(勝-分-負)得失点
1位 全北 9(3-0-1)8
2位 天津権健 7(2-1-1)2
3位 柏 4(1-1-2)-1
4位 傑志 3(1-0-3)-9
■グループF/勝ち点(勝-分-負)得失点
1位 上海上港 10(3-1-0)5
2位 蔚山 5(1-2-1)0
3位 メルボルン 5(1-2-1)-2
4位 川崎F 1(0-1-3)-3
■グループG/勝ち点(勝-分-負)得失点
1位 広州恒大 8(2-2-0)4
2位 ブリーラム 5(1-2-1)0
3位 C大阪 5(1-2-1)-1
4位 済州 3(1-0-3)-3
※4節終了時点
文◎小林康幸 写真◎Getty Images