■2018年3月10日 J1リーグ第3節
鹿島 0-1 広島
得点者:(鹿)なし
    (広)和田拓也

ともに無敗で迎えた一戦は、前半から激しい攻防が繰り広げられた。先制点が生まれたのは51分。ゴール前で相手のパスをカットした和田拓也が、右足でゴールネットを揺らした。その後、同点を狙う鹿島にPKを与えるも、守護神・林卓人が金崎夢生のキックをストップ。1点を守り切り、開幕3連勝を果たした。

「自分のゴールより、チームの勝ち点3が一番大事」

試合後、パトリックは穏やかな表情で口を開いた。
「今はすごく幸せな気分だよ。チームが良い仕事をしたこと、そして良い方向に向かっていることが、結果に出たのは素晴らしいことだね。昨年、オフに入ってからも、ブラジルやキャンプ地でずっと努力してきた。今まで努力してきたことが実を結んでいる」と、充実感をにじませた。

3連勝を懸けた鹿島とのアウェーゲームでも、最前線で存在感を示した。「パワーだったり、ドリブルだったり、前への推進力といったストロングポイントを出せた」と、相手の激しいマークにも負けず、鹿島ゴールへと迫った。

先制点をもたらしたのも、その“ストロングポイント”だった。
右サイドでドリブルを仕掛け、体勢を崩しながらもゴール前へパスを送る。ボールは相手選手へと渡ってしまうが、和田拓也がすぐさまパスカットして貴重なゴールを決めた。
「鹿島が相手でも、攻撃で自分の特長を生かして、結果的にゴールが生まれたのは、うれしかった」と、笑顔で振り返った。

3連勝と好調の要因はどこにあるのか。パトリックはチーム状態について、次のように話す。
「レンタルで外に出ていた選手が帰ってきて、何人かの選手が新しく入ってきた。監督も変わり、戦術的にも2トップになった。そのなかでみんなが努力しているので、良い雰囲気が生まれている」

また、もうひとり欠かせない存在がチームに加わったことも強調する。
「素晴らしいフィジコ(フィジカルコーチ)が来て、みんなのコンディションは上がっている。今日のような厳しい試合でも90分間走り続けることができたのは、彼のおかげでもあると思っている」と、今季から加わった池田誠剛フィジカルコーチへも賛辞を惜しまない。

そして、良いコンディションが、試合でのハードワークにもつながっている。
「まず前線から守備をして後ろの選手を助けることができている。それは本当に重要なことなんだ。しっかりとした守備が攻撃につながる。それで自然にゴールが生まれてくるんじゃないかと思う。前線から守備をすることで後ろの選手が楽になれば、チーム全体にとってもプラスなこと。それが結果に出ているので、すごくよかった」
パトリックの考えが、チームにポジティブな影響を与えているとも言えそうだ。

「開幕からの3試合でゴールは決めていないけれど、違うところで貢献できていると思う。だから(自分のパフォーマンスに)まったく心配していない。自分がゴールを決めるよりも、こうしてチームが勝ち点3を積み重ねることが、一番大事なことだから」
チームの勝利のために労を惜しまぬブラジル人FWは、さらなる連勝へ紫紺のイレブンを牽引する。

 
文◎小林康幸 写真◎J.LEAGUE PHOTOS
 


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