■2018年3月10日 J1リーグ第3節
 川崎F 2-0 G大阪
 得点者:(川)エドゥアルド・ネット
        家長昭博

前年王者の川崎FがG大阪に完勝した。8分にCKの混戦からエドゥアルド・ネットが右足で先制ゴールをマークすると、ゲームを掌握。55分には家長が追加点を挙げた。最後までボールを支配し、相手にペースを渡さなかった。G大阪はシュート2本に終わり、開幕から3連敗となった。

際立った存在感

家長昭博の存在感は際立っていた。相手に体をぶつけられてもびくともせず、悠々とボールをキープ。前にスペースがあると見るや、ドリブルでぐいぐいと前へ運ぶ。3日前にACLのメルボルン・ビクトリー戦でフル出場したとは思えないほどの働きぶり。チャンスになれば、一目散にゴール前へ駆け上がった。

55分、自陣からのカウンターで左サイドの阿部にボールが渡ると、背番号41は逆サイドのオープンスペースへスプリント。ファーサイドでクロスボールを呼び込むと、技ありのスライディングシュートでネットを揺らした。ゴール直後こそ利き足の左ではなく、右足で決めたことをアピールして喜んでいたが、試合後はいつものポーカーフェイスに戻っていた。

「アベちゃんのボールが良かったから」とさらり。ただ、ゴールをお膳立てした阿部の言葉を借りると、「あれはアキ君(家長)のスーパーゴールだから」となる。

冷静沈着な男は2点のリードを奪った後、ゲームをしっかりとコントロール。敵陣で自由に動きながら、ボールを受けてパスを散らし、相手にペースを渡さなかった。川崎Fの大黒柱として長年、君臨する中村憲剛も大きな信頼を寄せている。

「アキは『超フリーマン』。オリジナルポジションはないから。それでも全く問題ない。アキが自由に動ければ、ほかの選手もそれに合わせて動く。もちろん、アキが合わせているところもある。あうんの呼吸でプレーしている。それが、フロンターレの一つの色になっている」

G大阪の下部組織時代から天才と呼ばれ、国内外のクラブを渡り歩いてきた31歳は、いま川崎Fで円熟期を迎えている。生かし、生かされる「王様」として、川崎Fの欠かせない一人となってきた。

「勝って、勝って、それが当たり前と思われるチームにしていきたい」

クラブを引っ張る自覚も気概もある。移籍2年目の家長は、またひと味違う。

取材◎杉園昌之 写真◎J.LEAGUE PHOTOS


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