■2018年3月6日 AFCチャンピオンズリーグ第3節
柏 1-0 傑志(香港)
得点者:(柏)伊東純也
(傑)なし
3月6日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第3節が行なわれた。ここまで2試合を戦い1分け1敗と未勝利だった柏は、2連敗中の傑志(香港)をホームに迎えた一戦で、1-0と勝利した。前半は相手の堅い守備の前に無得点に終わったが、後半に伊東純也がゴールを決め、待望の初勝利を手にした。一方、敵地でブリーラム(タイ)と対戦したC大阪は、開始早々の2分に失点すると、後半にも追加点を取られ、0-2で敗戦。勝ち点を重ねることはできなかった。
決勝ゴールの形は「練習中から話していた」
左サイドバックの位置でキックオフの笛を聞いた亀川諒史は、静かに闘志をみなぎらせていた。
「スタメンで出たのはACL初戦以来。今日は出番を待っていた選手が多く出たなかで、『いつも出ている選手が出ないと勝てないね』って言われるのは嫌だな、と思っていた」と、必勝を期して臨んだ。
自陣に引いて守備を固める傑志に対し、柏は試合開始直後から相手陣内に攻め入った。すると、亀川の背後には大きなスペースが生まれる。そして、傑志の最前線には、元ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランがいる。
「名の知れた選手だし、ワールドカップでのプレーも見ていた。(この試合では)個の能力で一発を狙われることもあるのかなと。傑志の前線の選手はカウンター攻撃に備えていたので、チームとして『リスク管理はしっかりしよう』と話していた」
チーム全体が前がかりになるなかで、世界的な名FWを擁する傑志への警戒心は常に持っていた。「攻め上がるところと、上がらないところを見極めながらやっていた」と、慎重に戦っていたことを振り返る。
それでも、「攻撃になったときには多少はリスクを負わないといけない場面もある」と、機を見てオーバーラップを仕掛けた。
実を結んだのは66分。「自分はもともと右利きで、右足でボールを持ったときにジェイ(伊東)が(ゴール前へ)走り込んでくれるということを、練習中から話していた。そこにうまくボールを送り込めたと思います」と、ファーサイドに走り込んだ伊東へピンポイントのクロスを入れ、決勝ゴールをアシストした。「ジェイがしっかり決めてくれたことが全て。それがあったからこそ、自分のアシストという形になっただけです」と、途中出場の快足アタッカーに感謝した。
他のクロスは決定機に結びつかなかっただけに「しっかり合わせなければいけない」と反省するも「この試合は内容どうこうというよりも、絶対に勝ち点3が必要だったので、結果として勝ててよかった。勝ち点3を取って課題を見つけられたことはポジティブだと思う」と、前を向く。
これでチームの成績は1勝1分け1敗となり、2位の天津権健(中国)と勝ち点で並んだ。決勝トーナメントへの行方が決する残り3試合に向け、決意を新たにする。
「まず、直近ではアウェーでの傑志戦がある。アウェーの難しさは、全北に行って分かっている。また今日のように難しい試合になると思うけれど、そこでも絶対に勝ち点3を獲得しなければいけない。残り3戦の相手とは一通り戦ったけれど、勝てない相手ではない。勝ち点3をしっかり積み上げていければ、グループステージ突破が見えてくるので、またしっかりと調整していきたいと思います」
柏の左サイドを駆け上がる背番号39は、早くも次の試合を見据える。
■グループE/勝ち点(勝-分-負)得失点差
1位 全北現代 9(3-0-0)10
2位 天津権健 4(1-1-1)0
3位 柏 4(1-1-1)0
4位 傑志 0(0-0-3)-10
※3節終了時点
文◎小林康幸 写真◎Getty Images