■2018年3月2日 J1リーグ第2節
柏 2-0 横浜FM
得点者:(柏)小泉慶、オウンゴール
(横)なし
開幕戦を引き分けで終え、今季初勝利を手にしたい横浜FMだったが、柏からゴールを奪うことはできず、2失点を喫して敗れた。49分にクリスティアーノとのパス交換でゴール前に侵入してきた小泉に先制点を許すと、75分には大谷のシュートをDFがクリアしきれず、オウンゴールを献上。第2節を終えて1分け1敗と、苦しいシーズンの立ち上がりとなった。
「シーズンはまだ先がある。ここで焦っていてはいけない」
前半戦は柏の選手たちを後退させ、ブルーの選手たちは敵陣に押し入る場面を多く作った。中盤と最終ラインでテンポよくパスを回し、ボールをサイドへ展開する。右のタッチライン際では、遠藤渓太が待ち構えている。
「ボールを失わないことを第一に考えて、相手に隙があればしっかり前に運んでいく。アタッキングサードに入ったら、自分で仕掛ける。それが、求められている役割かなと思います」
フィールドの内側が混沌とすればビルドアップのサポートに回り、サイドにスペースが生まれればドリブルでボールを前進させる。横浜FMが今季トライしているシステムは4-3-3だが、ときにサイドバックが中盤でのパス回しに参加するため、サイドに張り続ける左右のウイングはチーム戦術を実行するうえで大きな役割を担っている。
それだけに、「仮に前半は試合内容が良かったのだとしても、結果的に得点を取れず、負けました。それは前半で仕留め切れなかった攻撃陣の責任だと思うし、自分のクロスが点と点で合えばゴールが生まれていたわけなので、そういうところは実力不足だと思います」と、無得点に終わった責任も重く受け止めている。
ただ、開幕からの2試合で勝利を得ることはできなかったが、ポステコグルー新監督のもとでキャンプから積み重ねてきた“自分たちのサッカー”への信念は揺るがない。
「シーズンはまだ先がある。ここで焦っていてはいけないと思うし、自分たちのサッカーを貫かないで変えたりしたら、これまでやってきたことの意味がなくなってしまう。このサッカーを続けていくことに意味がある。個人としても、焦って良いことはないので、しっかりプレッシャーとともにやれればいいかなと思います」
理想とするスタイルを追い求める横浜FMと、今季から11番を背負うドリブラーの新たな挑戦は、まだ始まったばかりだ。
文◎小林康幸 写真◎Getty Images