2018年シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が開幕した。日本からは4チームが参加。昨季の浦和の優勝に続き、“日本勢連覇”を狙うJクラブの初戦の結果は、以下の通りだ。

まず2月13日にJ1王者・川崎フロンターレがホームに上海上港(中国)を迎えたが、攻めあぐねて0-1の惜敗。敵地に乗り込んだ柏レイソルもハモン・ロペスと江坂任のゴールで全北現代(韓国)相手に2点を先行しながら、後半に3失点を喫し、悔しい逆転負けとなった。
翌14日は、セレッソ大阪が敵地で済州と対戦。試合終了間際に水沼宏太が劇的な決勝点を挙げ、1-0で勝利を収めた。また、ホームで上海申花(中国)と対戦した鹿島アントラーズも開始早々に失点したが、後半に遠藤康が同点ゴールを挙げて引き分けに持ち込み、クラブ悲願のアジア制覇に向けて最低限の結果を手にしている。

「決め切る力がまだ足りない」

今季初の公式戦で、鹿島の背番号9はスターティングメンバーに名を連ねた。

「また新たな競争がはじまったなかで、今季は絶対にスタメンを取らなければいけないという気持ちでやっています」
 
鈴木優磨が語気を強めたのは、2月7日に行なわれたJ3・盛岡との練習試合の後。それから1週間が経ち、まだシーズンの初戦ではあるが、まさに“有言実行”。プレシーズンに4ゴールを挙げるなど、好調を維持して上海申花戦のピッチに立った。

序盤からアグレッシブな姿勢を見せた。ボールを持てば前へ突き進む。ボールがなければ、前線で相手に体をぶつけて奪い返すシーンを何度も作った。「球際でひとつ負けてしまえば(自陣の)ゴール前まで行かれてしまう。相手は厳しく来たけれど、それに負けないことが勝利のためには大事」と、昨季の苦い記憶を生かながら、貪欲に勝利を求めた。

だが、自身のゴールだけが足りなかった。遠藤の同点ゴールにつながった強烈なシュートなど、試合を通じた活躍が評価されてこの試合の『プレーヤー・オブ・ザ・マッチ』に選ばれるも、チームに勝利をもたらすことはできず、「良い崩しはできていたけれど、決め切る力がまだまだ足りない」と、試合後はその表情に悔しさがにじんだ。

「ホームで勝ちたかった。悔しいゲームになった」。シーズン初戦で味わったその思いを、さらなる成長の糧とする――。鹿島のタイトル獲得のためには、鈴木の活躍は欠かせない。本人もそれを自覚している。

「昨年もこの時期は調子が良かったので、あとは1シーズン通して結果を出し続けられれば。俺だったり、(安部)裕葵だったり、安西(幸輝)だったり、若い選手がもっとチームに刺激を与えられれば、チームとしてももう一段階、上に行けると思います」

アジア初制覇と国内タイトル奪還に燃えるシーズンは、まだ始まったばかりだ。

 
取材◎小林康幸
 


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