巻き返しを期すシーズン
1月22日、サンフレッチェ広島が今季初の全体練習を実施した。15日からの自主トレを経ての始動には、ムアントン・ユナイテッド(タイ)からの期限付き移籍で加入するFWティーラシンを除く27選手が参加。新しく就任した城福浩監督の下、インターバル走やミニゲームなど、約2時間のメニューをこなした。
昨季は残留争いを強いられた末に15位に終わった広島にとって、今季は巻き返しを期すシーズン。選手たちも笑顔を浮かべつつ、引き締まった表情で練習に臨んでいたが、特に気合いを感じさせたのは加入2年目の工藤壮人だ。この日の広島市内は午前中に雪が舞うなど冷え込み、選手・スタッフは一様に長いトレーニングパンツを着込んでいたが、工藤は短いサッカーパンツ姿。ミニゲームでもボールをめぐって激しく競り合うなど、早くも今季に懸ける強い思いを感じさせた。
柏レイソルからバンクーバー・ホワイトキャップス(カナダ)に移籍した2016年を経て、昨季加入した工藤は、アルビレックス新潟との開幕戦で広島のシーズン第1号ゴールを決める好スタートを切った。しかし、その後に追い付かれて開幕戦に引き分けた広島は、第2節からは4連敗を喫してスタートダッシュに失敗。クラブが残留争いに巻き込まれる中で、工藤自身も第12節から控えとなり、第25節以降はベンチ入りメンバーからも外れる厳しいシーズンだった。
初日の練習を終えて「オフ期間が長かったので、それぞれの選手がコンディションを確認しながらの作業になったけれど、僕自身も初日にしては感触がよかった」と語った工藤は、昨年からの巻き返しについて聞かれると「もちろん、このままでは終われない」ときっぱり。「今季の僕自身が、どのように表現していくのかを見てほしいと思っている。サポーターの期待も、昨年からですが、今年は特に感じている。その期待に応えられるように、開幕まで良い準備をしたい」と決意を語った。
広島は26日まで地元で練習を行なった後、タイに移動して2月6日まで第1次キャンプ、2月9日から17日までは宮崎で第2次キャンプを実施して開幕に備える。苦闘を経て完全復活を工藤が、ストライカーとして求められる結果を出していけるのか注目だ。
取材◎石倉利英