画像: 監督交代後、三竿はボランチとセンターバックで4試合連続フル出場(17節時点)

監督交代後、三竿はボランチとセンターバックで4試合連続フル出場(17節時点)

2017.07.02 明治安田生命J1リーグ第17節 
柏レイソル 2-3 鹿島アントラーズ

文◎小林康幸(サッカーマガジン編集部)

大岩監督の下で変わった意識

大岩剛監督就任以降、勝利を重ねる鹿島において、その立役者のひとりとなっているのが三竿健斗だ。首位・柏との天王山においても、ケガをしたセンターバックの植田直通の穴を埋めたのは三竿だった。

「(16節)新潟戦後の練習からセンターバックをやっていたので、植田選手のケガもあり、(今日の試合は)センターバックかな、とは思っていました。ボランチのときは両足をそろえてポジションを取るのですが、『センターバックは半身でやれ』とか、昨日の練習後に(大岩監督から)アドバイスをもらいました」

抜てきされた三竿は、慣れないポジションながら随所に体を張ったプレーで柏の攻撃陣を食い止め、チームの勝利を呼び込んだ。対峙した相手FWクリスティアーノに「今日は完全に駆け引きで負けていました」と反省しながらも、「2点を取られた後に、それ以上の失点をしなくて良かったなと思います」と安堵した。

3カ月前はまるで違う表情を見せていた。4月8日のことだ。今季初先発となったC大阪戦(●0-1)に敗れた後、「イージーなパスミスや、予測が遅くなってボールを奪えないシーンがあった」と、肩を落とした。同点のチャンスで放ったシュートがバーに阻まれた場面について聞いても、「決めなければならなかったですけれど、それを決め切れないのが現状です」と自戒する言葉を口にしている。限られた出場時間で結果を残さねばならない焦りからか、プレーの精度を欠いた。自らのパフォーマンスにも疑心暗鬼になっていた。

そんななか、指揮官が大岩監督へと交代し、その初陣(14節広島戦・○3-0)でいきなり先発フル出場を果たした。「自信を持ってプレーしなければいけない。相手との駆け引きの中で上回らなければいけない」と、大岩監督がそうした姿勢を強く求めることによって、三竿のなかでも意識が変わっていった。

「剛さんには信頼して使ってもらえていると思うので、それが自分の中で結構大きい。落ち着いて、自信を持ってプレーできている要因なのかなと思います」

チャンスの間に良さを出す

今季序盤のプレーについても尋ねてみた。

「あのとき(C大阪戦)は連戦で、(チームが)ターンオーバーだったから、試合に出られたのだと思います。なかなかスタメンで出られなかったので、(石井)監督(当時)から自分はどう思われているのか、少なからず不安はあったと思います」

冷静に当時の心境を振り返る三竿の表情に迷いや不安は感じない。

「今はまだレギュラーを勝ち取っているとは思っていなくて、チャンスを与えられている最中だと思っています。試合に出られている間に、できるだけ自分の良さを出して、夏が終わった後に(レギュラーを)取れていればいいなと思います」

主戦場となるボランチをはじめ、鹿島のポジション争いはし烈を極めている。それでも、大岩監督に背中を押される21歳は、手に入れた自信を胸に定位置獲得へ意欲を燃やす。

17節柏戦でセンターバック起用も「プラスにしか考えていない」と三竿


This article is a sponsored article by
''.