上写真=右ウイングで先発し、奮闘した久保建英だが、勝利をつかむことはできなかった(写真◎Getty Images)
エンバペの速さに翻弄されて…
逆転突破を果たすために、ソシエダは試合のスタートからアグレッシブにプレーした。だが、その姿勢を逆手に取るかのように、パリSGのアタック陣が牙をむく。エンバペ、デンベレ、バルコラの速さと強さとうまさの前に後手に回る場面が頻出した。
15分には早速、先制点を奪われてしまう。ボックス右に進入され、守備者の人数はそろっていたものの、エンバペにタイミングを外されてシュートを許す。第1戦を0−2で落としているソシエダは、ますます苦しい立場に追い込まれることになった。
攻めるしかないソシエダはさらに前へと重心をかけようと試みるが、パリSGの鋭く、分厚い攻撃がそれを許さない。56分には、イ・ガンインの浮き球パスからエンバペに抜け出され、2点目を決められてしまう。
それでもホーム、アノエタに詰めかけたサポーターの思いに応えるべく、ソシエダの選手たちは下を向かず、攻めの機会をうかがった。終盤には猛攻を仕掛け、89分にその姿勢が実を結ぶ。右サイドで久保が絡み、最後はミケル・メリーノが決めて一矢を報いた。
2試合合計スコアは1−4ーー。10年ぶりにチャンピオンズリーグの舞台に帰ってきたソシエダの挑戦はラウンド16で幕を閉じることになった。最後はパリSGの地力をまざまざと見せつけられることになったが、昨季のファイナリスト、インテルが同居するグループを首位で突破し、16強に進んだ事実は称賛に値するものだった。試合終了後、多くのサポーターが拍手で選手を称えていたことが何よりの証拠だろう。