2023ー24シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第1節が20日に行われた。レアル・ソシエダ(スペイン)の久保建英は右ウイングとして先発し、昨季決勝に進出したインテル(イタリア)との試合に臨んだ。序盤からホームの大声援をバックに優位に試合を進めたソシエダは前半に先制。その後、終盤までリードを守ったが、87分に追いつかれ、1−1で引き分けた。

上写真=右ウイングとして先発し、72分までプレーしたソシエダの久保建英(写真◎Getty Images)

久保は72分までプレー

 10年ぶりにCLの舞台に帰ってきたソシエダの意欲がピッチに表れた。試合の立ち上がりから積極的なプレスでインテルを飲み込んでいった。

 久保は3トップの右サイドで先発。左ウイングバックのカルロス・アウグストとインサイドハーフのヘンリク・ムヒタリアンの2人に対応されながらも、周りを使うことで試合の流れを形作っていく。

 4分、早速ソシエダがネットを揺らした。インテルのCBステファン・デ・フライからGKゾーマへのバックパスに対し、ミケル・オヤルサバルがしっかりプレッシャーをかけると、ゾーマはボックスの外、ゴール正面の位置にいたCBアレッサンドロ・バストーニにパス。しかしオヤルサバルは方向展開してそのままプレスに向かった。

 慌てたバストーニがコントロールにもたつく間にブライス・メンデスが前向きにボールを奪取。そのまま持ち込んでシュートを突き刺し、先制に成功した。

 開始早々にリードを手にしたソシエダはホーム、アノエタに集うサポーターの大声援にも後押しされて、その後も押し気味に試合を展開した。40分には一瞬の切れ味で縦に仕掛け、相手2人を置き去りにした久保が右足クロスを供給。ロビン・ル・ノルマンのヘディングは枠を外れたが、決定的な場面を演出した。

 さらに45分には左に流れ、味方とのパス交換からボックス内に進入。左足シュートはGKにストップされたが、状況を見ながら右サイドを離れ、中央や逆サイドでプレーする久保にインテル守備陣は対応できなかった。

 後半も最初はソシエダの優勢が続いた。48分、左CKの場面で久保が蹴ったボールをミケル・メリーノがヘッド。流れたところにオヤルサバルが飛び込み、ヘディングしたが、GKゾマーが抜群の反応でストップ。得点はならなかったが、相手を押し込み、ソシエダはサイド攻撃、中央突破、そしてセットプレーとあの手この手で攻め込んでいった。

 インテルも55分に3人同時交代を実施して以降は前向きなプレーを増やしたが、ソシエダも集中力を保ち、要所を締めて対応した。

 72分、3日前に行われたレアル・マドリード戦にフル出場していたた久保はアルバロ・オドリオソラと交代でベンチに下り、戦況を見守ることになった。その後、次第にインテルに流れが傾いていく。直後の79分、カルロス・アウグストが左サイドで抜け出し、途中出場のマルクス・テュラムがクロスに詰めてインテルが同点に追いついたかに思われたが、オフサイドの判定。ソシエダにとっては肝を冷やす場面だったが、なんとか失点は食い止めていた。

 守勢に回る時間が続くソシエダは残り5分となり、MFブライス・メンデスに代えてDFジョン・パチェコを投入。後ろを4人から5人にして逃げ切りを図った。だが、今季のリーグ戦でも終盤に失点するケースが多いソシエダの悪癖が表れてしまう。

 87分、ダビデ・フラッテシによる振り向きざまのキックはボールの芯をとらえず、ゴール方向ではなく左へと飛んだが、ボックス内にいたラウタロ・マルティネスが誰よりも早く反応。冷静に蹴り込み、土壇場でインテルが同点に追いついた。

 ゲーム終盤に攻勢になったインテルは6分間のアディショナルタイムに入っても勢いを持続。CKやFKでゴールに迫った。しかしソシエダも体を張ってなんとか耐えきり、試合は1−1で終了。最後まで激しい戦いとなった一戦は、互いに勝ち点1を分け合う結果で終わった。


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