上写真=サポーターと勝利の喜びを分かち合うシュツットガルトの選手たち。一番左が伊藤、右から4番目が原口(写真◎Getty Images)
見事なパスでゴールをお膳立て
18分だった。敵陣まで上がった伊藤が相手最終ラインのど真ん中を割るように走るFWギラシにドンピシャのタイミングでパスを供給。GKと1対1になったギラシは冷静に飛び出したGKの脇を抜き、ネットを揺らした。
少しでもタイミングがズレれば、相手守備陣に止められていたかもしれないが、伊藤は見事なコースに見事なスピードでボールを届けた。そうした技術やセンスを示す一方で、ボックス内まで攻め上がってシュートを放つ積極性も見せ、守備では激しい当たりと鋭いスライディングで何度もボールを回収。オランダの名門アヤックスが伊藤に獲得オファーを出したとの報道もあるが、今のシュツットガルトが伊藤を簡単に放出できないのは間違いない。この日の伊藤はそう思わせるほど強いインパクトを残すプレーぶりだった。
先制点で勢いづいたシュツットガルトは、38分にCBのザガドゥが左CKからヘディングを決めて加点。後半に入ると、さらにカトンパ・ムブンパが2ゴールを決め、ギラシも自身2点目をスコアして、5ゴールを積み上げる。
ボーフムも前半からペースを握り返そうと反撃を試み、シャドーの一角で先発した浅野も58分にボックス左から惜しいシュートを放つなどゴールへの意欲を見せたが、新戦力のチョン・ウヨンを中心に厚みのある攻撃を展開するシュツットガルトからついぞ主導権を奪うことはできなかった。
試合はそのままシュツットガルトの5−0で決着。開幕直前にキャプテンの遠藤航がリバプールに移籍し、再編成を余儀なくされたことを心配する向きもあった。だが、フタを開けてみればこれ以上ない出来栄え。心配の声を払拭する圧勝でスタートを切った。
なお、日本人のプレー時間については、伊藤が78分までプレー、浅野は69分で交代。原口はベンチ入りも出場機会はなかった。