上写真=川辺駿がウルブスと契約。7月にスイスに渡ったばかりで約半年でプレミアにたどり着いた(写真◎Getty Images)
2月にはスイスに戻ってプレー
1月5日、イングランド・プレミアリーグで8位のウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(ウルブス)が、川辺駿の加入を発表した。スイス1部のグラスホッパー・クラブ・チューリヒからの獲得で、3年半の契約を結んだ。クラブにとって、初めての日本人選手となる。
川辺は2021年7月にサンフレッチェ広島からグラスホッパーへ移籍、ここまで18試合に出場して4得点3アシストと結果を残したことが高く評価された。ウルブスのホームページでは、テクニカルディレクターであるスコット・セラーズ氏が「ずっと追いかけてきて、スイスでとてもよく戦っている」と注目していたことを明かしている。「攻撃的なミッドフィルダーで、エネルギーに満ちていてよく動き、質も高い」と評価しており、イギリスにおける国外選手と契約する際に設定される基準によって1月中であればサインが可能だが、それ以降はできなくなるかもしれないと説明。そのために、このタイミングでの移籍となった。
スイスリーグが冬の中断期間となる1月中はウルブスで活動して、2月にはグラスホッパーにローン移籍の形で戻って5月までのシーズンの残りを戦うことになるという。実際にウルブスの一員としてピッチに立つのは来季からになりそうだ。
21年3月に日本代表にデビューしたばかりで、6月のワールドカップ2次予選のタジキスタン戦では初先発で初ゴールもマークし、計4キャップ1ゴールを記録、7月にスイスに渡って今度はプレミアリーグまでたどり着くという、驚異の急成長だ。スイスに渡ってからわずか半年ほどのスピード出世となった。
以前、日本代表の活動の中で取材に答えて「3列目からの飛び出しも持ち味だし、速く攻めるのも重要。広島でずっと青山(敏弘)さんのプレーを見て、隣でプレーしたからこそ狙いタイミングや質は学んできました」と語っていて、広島時代からの意識が大きく花開いたと言えそうだ。広島から移籍する際の会見では「ヨーロッパで活躍すれば、上のステップに行けると思っています。まずはチームで自分のプレーを精一杯、発揮したいです。近い目標としては、チームで活躍してチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグという世界の大きな舞台でプレーすることです。それができれば日本代表にも継続して選ばれ、ワールドカップにも近づけると思っています。そういった部分を目標にしてプレーしたいです」と意欲を明かしており、見事に一歩前進したことになる。