上写真=デブライネのドリブルをスライディングで止める冨安健洋(写真◎Getty Images)
アディショナルタイムに決められる
4位につけるアーセナルにとって首位に立つマンチェスター・シティとの試合はさらなる上位を目指すために重要なゲームだった。しかしアルテタ監督は先月29日に新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認され、欠場。不安要素となったが、一方で冨安は先月18日以来の復帰を果たし、右サイドバックで先発した。
先制したのは、ホームのアーセナルだった。31分、持ち上がったキーラン・ティアニーがカットインから中央にパスを通すと、ブカヨ・サカが左足ダイレクトで蹴り込み、ネットを揺らす。前半、アーセナルはショートカウンターから何度かいい形をつくり、シティのゴールに迫ってみせた。ポゼッションでは下回ったものの、効率の良い攻撃でチャンスを創出。冨安も20分にはダイレクトのクロスを見せるなど、攻撃に厚みを加えた。
しかし1-0で折り返した後半、57分にボックス内にドリブルで進入したベルナルド・シウバをグラニト・ジャカが倒してしまった。VARを経てPKの判定が下され、これをリヤド・マフレズに決められる。ここから流れは完全にシティのものになった。その後、レフェリーにたびたび抗議の意思を示すなど、冷静さを欠くシーンが頻発。ガブリエウが立て続けにイエローカードを受けた結果、59分に退場となり、アーセナルが一人少ない状況になった。
守る時間が長くなる中、それでもアーセナルは5バックを敷いて対応。集中したプレーでシティの波状攻撃を跳ね返し続ける。だが、後半のアディショナルタイムの90+3分、ついに防御壁が崩れた。ケビン・デブライネのクロスをロブ・ホールディングが頭で触ったものの、こぼれ球をロドリに蹴り込まれてしまう。
一人少ない状況の中、耐え忍んでいたが、ドロー目前で失点。終了の笛が鳴った瞬間、アーセナルの選手たちはピッチに座り込み、シティの選手たちは歓喜に沸いた。シティはこれで11連勝。試合後のコントラストが、新年早々に行なわれたこの試合の重要性を示していた。