ベルギーのユニオン・サン=ジロワーズに所属するMF三笘薫が現地16日、ファースト・ディビジョンAの第11節、セラン・ユナイテッド戦に出場。2点を先行される中、後半から登場すると、持ち前の攻撃センスを開放。自ら3ゴールを叩き出し、チームを4-2の逆転勝利に導いた。

上写真=セラン戦の後半から登場し、圧巻のパフォーマンスを披露した三笘薫(写真◎Getty Images)

万雷の拍手が背番号18に降り注ぐ

 リーグ首位を争うユニオンだが、この日は苦しいスタートになった。ホームにセラン・ユナイテッドを迎えたが、前半のうちに2失点。前半終了間際にはラザレ・アマニが退場となり、ますます厳しい状況に追い込まれた。

 そんなチームを救ったのが、三笘だった。後半からピッチに立つと、一人少ない状況をものともせず、ボールを運び、チャンスを生み出し、攻撃を活性化させていく。55分にテディ・テウマのパスを受けて左からボックスに切り込み、右足で逆サイドに蹴り込んでまず1点を返す。

 三笘の登場によって明らかにチームが変わった。相手が複数人で三笘を止めにかかるが、簡単には奪われず、チャンスを創出。一人少ない状況を三笘が打開した。66分には左サイドの三笘が相手を引き付け、そこから右へ展開。最後はデニズ・ウンダフの折り返しにダンテ・バンゼールが詰めて同点に追いついた。

 三笘の活躍はここで終わらなかった。圧巻のパフォーマンスをピッチで披露してみせる。76分にはショートカウンターのフィニッシャーを務めた。敵陣でウンダフがプレスを仕掛け、カスパー・ニールセンがボールを奪った瞬間、ボックス内に走り出す。バンゼールのパスを裏で受けると、冷静に右足でGKの届かない場所へとボールを流し込んだ。

 ついに逆転に成功したユニオンだが、試合終了間際に三笘が自らの持ち味を三度、ピッチで見せつける。左サイドから斜めにドリブル突破をはかり、スピードで相手DFを振り切ってボックス右へと進入。逆サイドに蹴り込んで相手を突き放すとともに、ハットトリックを達成してみせた。

 2点のビハインド。しかも前半終了間際に退場者を出す苦しい状況から、誰がこの大逆転を予想できただろうか(4-2)。試合途中からは三笘にボールが渡るたびに大歓声が起こり、スタジアムは大きな期待感に包まれた。いつか見た等々力競技場の光景がスタッド・ジョセフ・マリアンでも再現されたかのようだった。

 チームの窮地を救った三笘はこの45分で完全に仲間からもフェリス・マズ監督からも『完全に』信頼を得ることになっただろう。試合後も仲間やスタッフに祝福され、スタンドのサポーターから拍手喝采を浴びた事実が、そのことを証明していた。


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