4チームで行われるベルギーリーグのプレーオフ1も、折り返し初戦の第4節。現地の5月11日に三笘薫と町田浩樹が先発したロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズ(ユニオンSG)は、首位のクラブ・ブルージュとアウェーで対戦した。中2日でのリターンマッチとなったが、ユニオンSGは前節に続いて敗れ、優勝から大きく後退することになった。

上写真=三笘薫は得意のドリブルが冴えて何度もチャンスメーク(写真◎Getty Images)

VARで同点弾取り消しに

 ユニオンSGは優勝には負けられない試合だった。前節ではホームでクラブ・ブルージュに0-2で敗れて2位に転落、同じ相手と中2日のリターンマッチを迎えた。

 これがクラブ・ブルージュとの最後の直接対決。すでに優勝はこの2チームに絞られているだけに、負ければチャンピオンの座が大きく遠のくことになる。その大一番で三笘薫は左ウイングバックで、町田浩樹は3バックの左で先発出場した。前半から高い安定感を誇る町田が最終ラインを引き締めれば、再三攻撃を仕掛けたのが三笘だ。28分にはスローインを受けて突破してウンダブのシュートを導けば、33分にはこぼれ球を拾ってからそのまま縦に抜け出してシュート、42分にはカットインからシュートを狙うと、今度は45分にカットインと見せかけて相手DFの間の狭いコースを突いたラストパスでウンダブのビッグチャンスを生み出している。それでも前半は0-0のまま。

 後半に入っても三笘のドリブルは威力を増した。49分には右からのクロスが流れたところを拾い、あえて狭い縦に抜けたところを突き倒されるが、PKの判定はなし。51分には自陣で受けて一気にスピードアップしてカウンター、相手をひきつけて左のヴァンゼールに回し、センタリングを受けたアマニがシュートを放つが、GKに止められた。

 59分に、町田に災難。相手のカウンターに対応したところで入れ替わられてスライディング、警告の対象となり、2枚目のイエローカードを提示されて退場処分を受けた。

 これでクラブ・ブルージュは一気に押せ押せだ。65分にはCKのこぼれ球からシュートを打たれ、GKモリスが弾いたものの、このボールがカバーに戻ろうとしたベーガーに当たり、再びモリスに当たってゴールラインを割るオウンゴールになってしまった。

 1人少ない状況で三笘は守備でも奮闘。74分にはカウンターからのクロスに対して相手に体を当ててシュートを自由に打たせないシーンもあり、78分の交代策によって4バックにシフトすると左サイドバックへ回ることに。それでも81分には低い位置からドリブルを仕掛けて左へ展開、最後はウンダブがダイビングヘッドで狙うビッグチャンスも生み出した。85分、相手クロスに対応してブロックに入った三笘の手にボールが当たり、ハンドの反則としてPKが宣告されたが、主審のオンフィールドレビューによって取り消されて事なきを得た。

 逆に89分にはニールセンがミドルシュートをきれいに流し込んで同点としたかと思われたが、VARによってその前にオフサイドがあったとしてゴールが取り消されることになった。90+3分には三笘のドリブル突破をファウルで阻んだブキャナンを2度目の警告で退場に追いやったものの、このまま0-1で試合終了。

 ユニオンSGは首位決戦で手痛い連敗を喫して、クラブ・ブルージュが勝ち点46、ユニオンSGは43。クラブ・ブルージュが残り2試合で1勝すれば優勝する状況に追い込まれた。

 このあとは、アンデルレヒトとのアウェーゲーム、アントワープとのホームゲームを残すのみとなったユニオンSG。連勝して、クラブ・ブルージュが勝ち点を落とすのを待つしかない。

◆プレーオフ1の暫定順位表
1位:クラブ・ブルージュ(46点/3勝1分け/得失点+4)
2位:ユニオンSG(43点/1勝1分け2敗/得失点-1)
◎3位:アンデルレヒト(36点/1勝1分け1敗/得失点+2)
◎4位:アントワープ(33点/1分け2敗/得失点-5)
※◎は執筆時点で3試合消化


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